2006年9月13日水曜日

小児と輸液ポンプ

2006/11/4追加記載
「小児と輸液ポンプ」に関する検索をかけると当方のブログがヒットするようです。
ホームページのコラム欄に「小児と輸液ポンプ」に追加記載した内容を
記載しました。
皆様の参考になれば幸いです。


 http://www7a.biglobe.ne.jp/~snow-ce/


これより下記が9/12に記載したブログです。

「信じられない~」を連呼している妻の職場から、新たな問題点が・・・。
小児病棟で、購入したばかりの輸液ポンプからアラームが頻繁になるという。

で、なんとかして欲しいとのことらしい。

そもそも、鳴っているアラームは「滴下異常」アラームらしい。
と、言うことは・・・ そうです、滴下数制御型の輸液ポンプを
使っているようです。

無理でしょう・・・。その対処は・・・。
小児は病気を患っているとはいえ、じっとしていることはできません。
なかには、点滴の入っている腕をブルンブルンと回しているワイルドな
ちびっ子もいます。ワイルドすぎるぜ!!

そもそも、なぜ滴下数制御型を新調したのか?
どうも、彼女が入職する前に決まっていたようです。
詳細はわかりませんが、おそらく値段が安かったからと思われます。
購入を勧める業者も、ちょっと考えた方がいいんじゃないかな~。


点滴ラインごと動いてしまうようなワイルドなちびっ子に滴下数制御型を
使用して、で「滴下異常」のアラームをどうにかしろと言う・・・ 無理です。
マンツーマンディフェンスでピッタリとガードするしかないですな~。

滴下異常を回避する方法しては、点滴筒の部分を固定するステイを
使用する方法もあります。
しかし、そんな付属ステイでは、ワイルドなちびっ子には勝てませんぜ。

と、言うことで・・・ 私が
「じゃ~ 流量制御型をデモしてみたら」とちょっと口を出してみた。

で、デモしてみたら・・・

看護師さんからは
「活栓の中に空気が入る!!」
 → 輸液ポンプの制御方式が変わったからととって、
活栓の中に「空気」が入ることはあり得ません。
    それは、手技が悪いのです。

「(滴下数制御に比べて、流量制御だと)空液アラームが、鳴るのが遅い」
 → アラームに頼る輸液管理をしているのはおかしいでしょ。
    じゃぁ~ 自然滴下で輸液しているときは、どうやってるの?

このような意見から、テ○モの機種は却下となったらしい。
と、いうか これは、流量制御とか滴下数制御以前の問題ですな。

スタートラインに立ってない。輸液ポンプの基本からやった方がいいですな~。

医師からは
「ほかのメーカでデモしてみてよ。滴下でいいよ。滴下で。」
 → そもそも、今回は「滴下異常」アラームを何とかしたいから
「流量制御」にしたいのに・・・。

そこまで言うなら・・・・ う~ん、いいんじゃないですか。
アラームは鳴りっぱなしで・・・。動いているから、アラームが鳴るんです。
針先や固定状況の確認をするために、アラームが鳴ったちびっ子のところに
行けばいいんです。
そもそも、鳴ったアラームが必ずしも、「滴下異常」とは限らないですから。


ふぅ~ 聴いているほうも大変です。


補足説明
滴下数制御型輸液ポンプと流量制御型輸液ポンプについて

輸液ポンプは大きく2種類に分類できます。
・滴下数をカウントすることで流量を制御する「滴下数制御型」。
・専用活栓を使用し、活栓部分をしごくことで流量を制御する「流量制御型」

一般的に精度では「流量制御型」が高いとされています。
大きな理由としては、滴下制御では薬液の粘性に左右されやすいこと。
汎用活栓を使用するため、製品誤差も影響することです。

ちょっと分かりにくいですか?

滴下制御型は、60滴で1ml 15滴で1mlといった感じで測定しています。
これが、生理食塩水であればいいのですが、ブドウ糖が入っている溶液だと
粘性があります。60滴で1mlにならないのです。60滴で0.9mlなど。

これが、24時間キープとかしていると大きな誤差になります。
もともと、輸液ポンプは規格で誤差は±10%となっています。
粘性の高い薬液を使用すると・・・ さらに誤差が広がります。

よく24時間で1本いれる薬液の残量が多いのは、このような誤差が重なった結果です。
��まだ、誤差の要因となることは沢山ありますが・・・)

流量制御型は、専用活栓を使用する必要があります。
その分だけ、精度が高く時間でのコントロールは容易です。
しかし、専用活栓を使用することでランニングコストがかさみます。

「滴下制御型」「流量制御型」 いずれも一長一短です。
しかし、一つの病棟では、どちらか1種類にした方がミスを防げます。
例えば、滴下制御型で使用する「汎用活栓」を、間違えて流量制御に使用しても
アラームはなりません。

購入予定のある場合は、必ず評価表等を用いて 評価してからの購入をお勧めします。
購入後に「信じられな~い」とならないように。




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