2006年9月16日土曜日

今回は医療とは関係ありません。あしからず。

今日の夕方遅くに、患者様の奥様が来院されました。
患者様 ご本人は、数ヶ月前に在宅療養にて亡くなられています。

時間が経過して、少し落ち着いてきたとのことで
挨拶に来てくださいました。

近々 来院するとの話は、先生から聞いていたのですが。
夕方 ちょうど、患者様がいない時間にいらっしゃいました。

診察室で、パソコン入力をしていた私は受付から呼ばれました。
「○○様の奥様がお見えになりました。」

第一声は、どうしようと思いながら・・・診察室を出ると
奥様から
「こんばんわ。」とハリのある声をかけられました。
落ち着いている感じがしました。

「こんばんわ。お久しぶりです。」
「このせつは お世話になりました。」

と、次の瞬間 奥様の目から涙がこぼれていました。

「ごめんなさいね。つい思い出してしまって。」

「時間がたって、少し気分が落ち着きましたか。」

「えぇ~ ようやく気分も落ち着いてきました。
 これからは、自分の事で何か始めようと思っています。」

先生が診察室から出てきて、誰もいない待合室で談笑しました。



在宅療養では、家族と過ごす時間が多くあり
その看護・介護の質・量ともに病院を凌ぐと実感しています。

私が、在宅医療に携わり
一番 辛いと感じるのは「患者様」の死です。
一番 良かったなぁと感じるのは「患者様・ご家族」の医療への満足です。



亡くなられたご主人は、奥様にプレゼントを残していました。
生前から自分が死んでから、この箱を開けなさいと・・・ 箱を残したそうです。

亡くなられて直ぐには、奥様も箱を開ける気になれずに、時間だけが過ぎました。
で、つい最近 開けたそうです。

で、中身は・・・
ご主人が若い頃から書き始めた日記だったそうです。


その話をパソコン入力をしながら 診察室の中で聴き感動してました。

今日は、いい話を聴きました。






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