2013年8月30日金曜日

新しいカニューレ「マイスターブレス」

今日は医療ネタで、実名表記です。


先日 株式会社 高研の方が面会に来てくれました。7/31から発売になった新しいカニューレ「コーケンマイスターブレス」の説明でした。

あっ 忘れないうちに書いておかねば、「私は高研の回し者ではありません」


商品HPはこちら

 面白い!!
 カフ圧のインジケーターが付いてくるのです。

  インジケーターには数値はなく、Lo~Hiで圧力は20-33hPaとのこと。



思わず「このインジケータだけ下さい」と言いました(^^;

院内でカフ圧管理をしっかりできている施設でさえも、カフ圧計そのものが感染経路となりかねません。

かといって1台の人工呼吸器に1個のカフ圧計を準備でている医療施設はそうはないはず・・・。(人工呼吸器でなくとも気管切開カニューレを使用中の患者さんはいます)

2週間に一度の交換で廃棄されていくのはモッタイナイ感じもありますが、在宅ではこの製品は重宝しそうな予感です。

このマイスターブレス、もう一つ期待できる構造があります。いや2つか・・・。

2つともHPに記載されているのですが、
「カフ上部吸引ラインが内蔵されているため、パイプの外側は 凸凹がなく気管への刺激が軽減されます。」

実際に実物をさわって、完成度が高いことを実感しました。

「パイプのカーブと長さは日本人の気管形状に近い角度と長さを採用しました。」
HPには根拠となる資料が掲載されていないのですが、このデータは実際の日本人のCT画像から導き出された角度だそうです。




高研のカニューレは、カフが小さいという印象でしたが、今回の製品はでかいです。大容量低圧カフになっています。

当院の場合、すでに長期人工呼吸器の患者さんに新しいカニューレを試すということは基本的にありません。カニューレの変更は違和感を感じる方が多いためです。種類を変更する条件としては、気管切開孔の肉芽対策として、カフリークがある場合となります。

今後 新規往診相談を頂いた場合には、こちらの製品が適応になるかしっかり考えたいと思います。








6 件のコメント:

  1. indiyです。
    情報を有り難うございます。
    確かに、在宅の患者さんには有用ですね!
    現在はご家族に、カフを触ってもらった感じで
    圧を判断してもらっているレベルですので・・・・

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  2. indiyさん
    返信が遅くなりました。在宅のカフ圧管理は不十分であることを実感しています(^^; より良い管理を求めると患者自己負担の増大となり・・・いつも試行錯誤です。
    今回、このような製品が出たことで、1歩前進できるかなと思っています。

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  3. インジゲーターのラインが殆どLOWラインより下になっていることが多い方がいます。カフ確認で10~11cc入っているのですがエアー漏れ音がある事も見られてます。こうした場合、どうしたらいいでしょうか

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  4. コメントありがとうございます。返信が遅くなりすみませんm(_ _)m
    状況が分からない(人工呼吸器有無や気管切開孔の状況等)ので、参考になるか心配ですが(^^; まず、高研の商品説明のHPでは「カフ内圧の目安」として以下の3つのことをあげています。(HPより抜粋)
    ・青色の線がHiとLoの2本の赤線の範囲内であればおおよその適正圧力範囲(20~33hPa)です。 ※患者の容態によって適正圧は変化しますので、専門医の指示に従い最適な圧を設定して下さい。

    ・カフ圧計を使い、圧を確認しながらエアーを注入することをお勧めします。

    ・あくまでも目安ですので、施設で定められたカフ圧管理方法を実施してください。

    そこで、これらを踏まえ私からの提案は
    ・カフ圧計があれば、10~11cc入れた時のカフ圧を測定する
    たぶん「LOW」なので圧力が低い。単純に適切な圧になるまで、シリンジ等で圧 
    力を上げて、エア漏れをせずにインジゲーターの適切範囲にしっかり入るかを確認。
    このインジゲーターの良いところは、カフ圧計がなくともおおよその目安がつくことです。10~11ccだとエアの量としては多い気がしますが、カフからエア漏れしては意味がないので、しっかり入れてみるのはどうでしょうか。 

    初歩的な所ですが、カニューレ交換をする医師は、カニューレ交換前にカ フバルーンの点検をしていますよね(^^; カニューレが万が一初期不良でエアー漏れしているとか・・・レアなトラブルも。

    ・ほとんどLOWになっているとのことで、LOWになる原因を考える
     患者さんの体格に対して、カニューレサイズが適切か?
     →体格のよい患者さんに細いサイズを使っていないか?

     人工呼吸器使用中で気道内圧や平均気道内圧が高くないか?
     →常にカフバルーンに高い圧力がかかるような状況だと、カフからの空気が抜けやすいです

    ・インジゲータの確認のタイミングの見直し
     1日複数回のチェックは、必要だと思います。

    と、ここまで書いておいて、エアー漏れが続くようであればマイスターブレスにこだわる必要がなければ、他の製品を試してみるのも1つの方法だと思います。
    参考になりますか???

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  5. お返事ありがとうございます。トリロジーで呼吸管理をしております。カニューレの飛び出しもあり定位置にカニューレを戻すとインジゲーターのラインは正常範囲内に戻ります。カニューレサイズがあっていないのでしょうか?気道内圧は平均13~16程度です。

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  6. すみません・・・ 返信が遅くなりました。情報ありがとうございます。気道内圧の平均が13-16cmH2Oとのことなので、それほど高くないと思います。カニューレの固定が不十分なことも、インジゲーターのラインが低くなる原因だと推測します。つまり、カニューレが抜けかけているために、カフが気管壁に触れてないと思われます。
    さて、対策に向けて もうひと踏ん張り!!カニューレの飛び出し、カニューレの固定が不十分である原因を考えます。経験的には、体格の割にカニューレが細い場合に遭遇するトラブルです。あとは、痩せている場合。カニューレの固定にカニューレに付属してくる紐を使うことが多いのですが、幅の広いベルトタイプで固定するだけでも、安定感が違います。また、同じサイズでもメーカが異なるだけで、カニューレの長さが違います。
    カニューレのサイズや種類を変更することは大変だと思いますので、固定に「紐」を使っている場合には、是非「ベルトタイプ」を使ってみてください。

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