2026年3月27日

合格率65.7%の衝撃 第39回臨床工学技士国家試験を振り返る

臨床工学技士国家試験 合格率急落の真相|2026年第39回を振り返る
臨床工学技士 / 国家試験

合格率65.7%の衝撃
第39回臨床工学技士国家試験を振り返る

2026年3月 試験分析レポート
第39回 合格率
65.7%
過去最低水準
受験者数
2,396
前回比 −202人
合格者数
1,573
前回比 −476人
過去10年平均
80%
前後で推移

こんにちは、HTML方式のブログに初挑戦です。Claudeのお世話になっています。

14ポイント急落——何が起きたのか

2026年3月1日に実施された第39回臨床工学技士国家試験の合格率は65.7%でした。前回(第38回)の78.9%から実に13.2ポイント下落し、受験者数も2,396人と直近5年で最少となりました。臨床工学技士の国家試験は例年80%前後で推移してきただけに、CE業界に大きな衝撃を与えています。

第39回の合格率65.7%は、過去30回の試験データを振り返っても最低水準です。第12回(1999年)の63.1%以来、約27年ぶりの低水準となります。

過去10年の合格率推移

第30回〜第39回 合格率(%)・合格者数(人)
合格率(%) 合格者数
回次 実施年 受験者数 合格者数 合格率

受験者数の減少と合格率低下の背景

受験者数の減少については、少子化による18歳人口の減少や医療系学校への志願者動向の変化が影響していると考えられます。臨床工学技士の養成校数は増加傾向にあるものの、入学者数そのものは伸び悩んでいる状況が続いており、それが受験者数の減少に直結しています。

一方、合格率の急落については、試験問題の難化が主因として挙げられます。近年、医療機器の高度化・複雑化に伴い、臨床工学技士に求められる知識は急速に広がっています。人工知能(AI)を活用した医療機器や、最先端の体外循環技術に関する出題が増加傾向にあり、従来型の学習法では対応が難しくなっていると指摘されています。

受験者数と合格率が同時に下落するのは異例です。単なる試験の難化だけでなく、受験者の学力層の変化や試験準備期間の問題など、複合的な要因が重なった可能性があります。

今後の展望——養成校と受験生に求められること

今回の結果を受け、養成校側はカリキュラムの見直しや模擬試験・補講体制の検討が必要になるかもしれません。特に最新の医療技術・医療機器に関する教育内容を実態に即して更新していくことが不可欠です。

受験生の視点では、過去問中心の学習に加え、臨床現場で求められる最新知識を積極的にキャッチアップする姿勢が重要になってきます。学会誌や厚生労働省の通知なども参照しながら、幅広いインプットを心がけることが求められているのかもしれません。

臨床工学技士は人工透析や人工心肺など、患者の命に直結する医療機器を扱う専門職です。高い試験水準が設けられることは、医療安全の観点から当然とも言えます。今回の合格率低下を一時的な揺り戻しと捉えるのか、構造的な変化の始まりと捉えるのかは、第40回以降の結果を見守る必要があります。

まとめ

第39回臨床工学技士国家試験は、合格率65.7%・受験者数2,396人という近年まれに見る厳しい結果となりました。過去10年の平均(約80%)と比べても異常値に近く、業界全体で原因の分析と対策が急がれています。今後も試験データの推移を継続的にウォッチしていきたいと思います。

データ出典:公益財団法人医療機器センター・厚生労働省 / 本記事は公開情報を基に作成しています。

2026年3月22日

【2026年改定】CPAP管理の新たな評価――算定の鍵を握る「施設基準」とCEの役割 その2

皆様、こんにちは。ブログ「四季草々」です。 前回の記事では、2026年(令和8年度)改定で新設された「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算(15点)」の概要をお伝えしました。
続きは、明日と書いておきながら、10日以上開けてしまいました(゚◇゚)ガーン

察してください(笑)


今回は、この15点を算定するために避けては通れない「施設基準要件」について、より具体的に掘り下げてみたいと思います。

1. 15点を算定するための「3つのハードル」

この加算は、どの医療機関でも自動的に付くわけではありません。以下の施設基準を満たし、地方厚生局に届け出る必要があります。

① 通信機能付き機器等によるデータ収集

まず、セルラー通信等の機能を備えたCPAP機器を使用していることが前提です。施設基準を読み解く限り、SDカードがNGと書いていないため、医療機関側がログデータを把握できる環境が求められます。

② 組織的なモニタリング体制の整備

「(CPAPの)データは見れるけれど誰も見ていない」では通らない、というのが今回の改定の肝だと思います。

  • 収集したデータを定期的に確認する体制。

  • 治療がうまくいっていない患者さん(使用時間が短い、リークが多い、AHIが下がらない等)を抽出し、速やかに医師や専門スタッフが介入できる仕組みが必要です。

③ 客観的な「治療実績」の維持(4割ルール)

ここが最も具体的なハードルになります。

  • 基準: CPAP療法の1日使用時間が4時間以上の日が20日以上ある「管理月数」の割合が、施設全体で4割以上であること。

つまり、「貸し出した患者さんの4割以上が、しっかり使えている状態」をキープしていなければなりません。

これ、どうやって計算するんだろう・・・
各メーカーとの打合せをしています。できばセルラー通信搭載CPAP治療装置は、各メーカのクラウドソフトの中で計算して欲しいです。
SDカード方式であっても、専用ソフトでログ解析をしていることから ソフト上で計算できるといいのですが・・・
R8年6月には間に合わないですよね・・・(´д`)

2. 臨床工学技士(CE)がこの加算の「心臓部」になる理由

この施設基準を読み解くと、まさに私たちCEの職能そのものが求められていることが分かります。

  • データの「番人」: 膨大な遠隔モニタリングデータの中から、マスクリークのパターンや無呼吸の残存を読み解き、医師に設定変更の提案を行う。

  • 技術的な「困りごと」の解決: 「鼻が痛い」「風が強くて眠れない」といった患者さんの不満に対し、マスクフィッティングの調整や加湿設定の最適化を行うことで、前述の「4時間・20日」の基準達成を直接的に支えます。

     

3. 今から準備すべきこと

2026年6月の施行に向け、施設として以下の準備を検討し始めるタイミングです。

  1. 機器のリプレイス計画: 現在貸し出している機器のうち、通信機能付きがどの程度あるか確認する。今のところ、SDカード方式がNGとなっていませんが・・・疑義解釈には気を付けましょう。

  2. 運用フローの作成: 誰がデータをチェックし、誰が患者に連絡するか。CEが主体となった「CPAP外来」のような仕組みの構築。CEの立場からは、このように記載しましたが、実運用では、看護師による「療養指導(170点)」の仕組みを検討することも必要かと思います。 

  3. 現在の「4割」の把握: 自施設の患者さんの現在のコンプライアンスを算出し、課題(なぜ使えていないのか)を分析する。

    これが、吐きそう案件です(´д`)

     

おわりに:15点の先にある「質」の向上

「たった15点のためにここまでやるのか」という声もあるかもしれません。しかし、この加算は「データに基づいた質の高い管理を、日本の標準にする」という国からのメッセージです。このちゃんと管理できている延長線上に「CPAP4ヶ月受診」が待っている可能性があります。



引用・参照元:

  • 厚生労働省:令和8年度診療報酬改定資料「医療技術の適切な評価(腎代替療法・在宅医療等)」

  • 中央社会保険医療協議会:個別改定項目「在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)の充実管理加算の施設基準」

      

2026年3月10日

【2026年改定】CPAP管理の新たな評価――「15点」の加算が示すデータ活用の重要性 その1

皆様、こんにちは。
ブログ「四季草々」です。 3月に入り、2026年度(令和8年度)の診療報酬改定の全容が明らかになってきました。今回は、多くの患者さんが利用されている「在宅陽圧呼吸療法(CPAP)」に関する、見逃せない変更点についてお話しします。

今回の改定では、在宅でのデバイス管理において、モニタリングを実施しているかが明確に問われるようになりました。

1. 「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算(15点)」の新設

今回の大きなトピックは、15点という新たな加算が設けられたことです。

  


  • 算定のポイント①:在宅陽圧呼吸療法指導管理料2の減算 (250→240点)

  • 算定のポイント②:患者さんの使用時間や治療データをモニタリングできる体制を整備している

  • 背景にあるもの: 「機械を貸しっぱなし」にするのではなく、データをちゃんと見なさい!!治療がうまくいっていない患者さんへ迅速にアプローチする体制を評価!!

2. 「15点」という重みと、求められる「質」

点数としては15点と控えめに見えるかもしれませんが、これは医療機関に対して「組織としてモニタリング体制を標準化せよ」という強いメッセージです。管理料2が減算になるので、充実体制加算15点があると少しだけ増点となります。その分、患者さんの支払も増えます。

  • 使用時間(コンプライアンス)の把握はもちろん、無呼吸指数の推移やリークの状況を把握し、必要に応じて設定変更やマスクの再調整を行う。

  • こうした「一歩踏み込んだ管理」を行っていることを、診療報酬という形で国が認めたことになります。

3. 臨床工学技士(CE)こそが、この加算の立役者

この「充実した管理体制」を構築・運用する上で、私たち臨床工学技士(CE)の存在は欠かせません。

  • データマネジメント: デバイスから届く膨大なログデータを整理・解析し、医師が効率的に判断できるようサポートする。

  • 技術的な療養指導: データの変化から「なぜ使えていないのか」の技術的な要因(設定圧、マスク、結露など)を読み解き、患者さんに具体的な解決策を提案する。

今回の改定は、CEが「機器の番人」から「データの活用を通じた治療のパートナー」へとステップアップすることを期待しているように感じます。(たぶん)

おわりに:機械を管理するから「治療を支える」へ

これまでの私たちの業務は、ともすれば「機器が動いているか」の確認に重きを置きがちでした。しかし、2026年の改定は、その先にある「患者さんの治療データをどう活かすか」に焦点を当てています。

15点の加算をきっかけに、施設全体でモニタリングの質を向上させ、患者さんにより良い眠りと安心を届ける。そんな体制づくりに、私たちCEが主導権を持って取り組んでいきたいですね。

とはいえ、この15点を取るのは簡単では、なさそうです。
続きは明日


引用・参照元:

  • 厚生労働省:令和8年度診療報酬改定資料「在宅陽圧呼吸療法指導管理料の見直し」

  • 中央社会保険医療協議会:個別改定項目「在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)の充実管理加算」