2006年8月17日木曜日

酸素療法ガイドラインが届く

呼吸管理学会に行った時に、展示会場の販売エリアに
「酸素療法ガイドライン」が置いてありました。
学会員には、後日届きますとのこと・・・。
忘れていました。今日、届きました。

酸素療法・・・ 
そういえば、自分自身でも十分に説明できないことが多いと実感。

例えば
「酸素加湿に関して、鼻カニュラでは4L/分までは加湿する必要はない」
この酸素加湿の話は、だいぶ一般的になってきましたよね。

どうですか? 理由を説明できますか?

えっ 『鼻カニュラでは4L/分・・・』を知らない・・・。
う~ん まだ全国津々浦々には多くの病院・診療所があるからな~。
昔の教科書や、一部の病院・診療所では まだ加湿しているかもしれませんね。

鼻カニュラ4L以下の患者様って、けっこう多いんじゃないですか?
このようなガイドラインを盾に、院内の現状を打破することも可能ではないでしょうか?

お局様的なスタッフがいると、お局の気分一つで業務が変更になってしまう・・・
そんな業務にウンザリなあなた、早速 ガイドラインを「盾」に戦いましょう。

はっ お局様のことを書いている場合じゃない。ガイドラインだ!!
以前 勤めていた病院では このお局様に散々な目にあいました・・・。
その内容は、あとで書きます。

もとの話に戻ります。
本来 ガイドラインは「矛」だと思います。
保守的な体制をガイドラインの矛で壊してください。
と言うことで、ガイドラインの使い方には注意して下さい。

私は鼻カニュラならば、4L/分以下ならば加湿必要なしと覚えていました。
単純な丸暗記でしたが・・・。
が、このガイドラインには鼻カニュラなら3L/分でもよいと。

ちゃんと理由があるんですね。さすがガイドラインです。

補足:医療学生さんは、気を付けて下さい。
ガイドラインの内容と国家試験の内容が必ずしも
重複するとは限りません。
間違った覚え方をしないように気を付けて下さい。


そのまま書き写してしまうと著作権の問題がありますので、要約して書きます。

酸素療法のおける酸素加湿

鼻カニュラでは3L/分まで、ベンチュリマスクでは酸素流量に関係なく
酸素濃度40%までは酸素加湿する必要はない。


理由
鼻腔を介して、加湿している
��回換気量に含める酸素(投与酸素)の割合が少ない


本当は6項目ありますが・・・ とりあえず2項目。

で、3L/分の理由は
「AARCでは4L/分以下、ATSのCOPDガイドランでは5/分以下に
酸素加湿をあえて行う根拠はない」とのこと。

日本人を対象とした研究では米国のガイドラインをそのまま
当てはめるのには無理があるとのことで、
このガイドラインでは、3L/分にしたそうです。

補足説明
��ARC 米国呼吸療法教会
��TS  米国胸部学会



確かに、日本人は鼻が低いからなぁ~ 
鼻の高いアメリカ人では加湿効率が違うのかなぁ~。

うちの病院っていったい? と思った人は、
教科書ではなく。ガイドラインを見て下さいね。

「酸素療法ガイドライン」 ¥3500円(税別) メディカルレビュー社

えっ 買ったほうがいいか?
う~ん、教育予算費から1冊病院に買ってもらえば 
個人で持たなくても大丈夫だと思います。

新人教育・院内手技が統一されていない病院には、
よいガイドラインだと思いますよ。

院内に一人ぐらいは、呼吸管理学会の会員がいるのではないでしょうか?
もしいたら、まずはその人から「聴くべし」です。


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