2011年8月9日火曜日

在宅で慢性期COPDのNPPV設定変更

今日は医療ネタです。
��週間ほど前に訪問看護ステーションから往診の相談を
頂いた患者さん。
先週末に初回往診でお伺いして来ました。

疾患はCOPDでNPPVを在宅酸素療法と併用して使用中。
��PPVは入院して導入したそうです。
問題は入院時から設定が変更されていない点。

医師の診察が終わった後に実際にNPPVを装着して
もらいました。

ちなみに在宅医療の場合、初回往診はとても重要な意味を
持っていると考えています。
患者さん・家族からすれば、医者が自宅に来てくれるという
「嬉しさ」「申し訳なさ」「漠然とした不安」・・・
医療者側は、患者本人の病態も当然ながら、、、
住宅環境や家族の介護力など色々考えながら話を
伺います。

当然、患者さん側も、医療者側も一定の緊張があります。
もし既に訪問看護ステーションが介入している場合には
初回往診の際には なるべく訪問看護スタッフに
同席をお願いしています。
介入していない場合にはケアマネに同席を依頼します。
患者家族・医療者の双方を知っている仲介役を入れることで
ギクシャクした空気にならないようにしています。
それと必要な情報がその場で話を聞けるメリットもあります。

そんなことを考えながら、NPPVの設定を良し悪しを確認する
ために医師の診察をみながら現在の機器設定や酸素流量、
��PPV使用しない状態での呼吸補助筋の筋緊張を目視。

今回の課題として
・マスク装着時に自分で装脱着ができないこと。
・NPPV使用中にも関わらず呼吸補助筋の筋緊張が
 弛緩しないこと

マスクの装着に関しては、マスク種類を変更する指示が
出ました。
胸鎖乳突筋の筋緊張の継続していることから、IPAP変更。
��ossが聴診からEPAPを少し下げるように指示があり、
これで結果として⊿PSが上がり換気量が増加。
吸気/呼気トリガーをCOPD向けに、鋭敏にしました。

患者さん本人は設定変更をしたその際には、
あまり楽になったとも悪くなったとも無いと言っていました。
が、SpO2の上昇、呼吸回数の減少が設定変更の効果を
表していました。

今日マスク変更目的で自宅訪問して来ました。
先週末の設定のままで大丈夫そうです!!
新しい課題として下肢筋力の低下、夜間NPPVへ向けた
練習などがありますが、一歩ずつ進みましょう!!

2 件のコメント:

  1. お疲れ様です。完璧ですね~(^_-)患者さんも幸せだと思います。COPDの設定変更は非常に重要だと思っております。ALSとの大きな違いがEPAPの設定に難渋します。呼吸筋の疲労と内因性PEEPとの関連が強くその打開策にEPAPが重要と考えてます。オートタイプのトリガーだと感度調整ができないのでEPAP自体がトリガー感度となりうるのでこういう時に感度調整ができる機種は魅力的ですね(*^_^*)逆に貴院が介入する前の管理状況に現在の県内や全国的な現状と課題があるのかと感じてしまいます(x_x;)

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  2. ��Mさん
    私が担当する慢性期COPDのNPPVは未だにエビデンスが確立されていません。Mさんが指摘されるように慢性期特有の設定調整が必要だと思います。しかし、マニュアル的に設定できないのが慢性期COPDだと思います。いつも、頭をひねって設定を考えています。
    慢性期COPDのNPPVの問題点の一つにNPPV導入後の設定見直しが不十分であることです。これは指摘頂いたように全国的な問題なのかもしれませんね。
    まずは自分の所でできることからコツコツ行きたいと思います。

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