2009年6月17日水曜日

添付文章の使用期限と臨床現場のギャップ

今日は昨日に引続き業務ネタです。
最近夜な夜なスライドを作成していたら、風邪を引きましたOrz

さて在宅医療に携わってからとても面倒なことが多くあります。
そんな面倒なことの1つに添付文章の使用期限です。

・人工鼻の24時間毎に交換
・バルーン式の胃瘻(PEG)の30日毎に交換
・某人工呼吸回路の15日間
 、、、、
添付文書を見れば必ず使用期限や使用回数に関しての記載が
あります。

感染対策や安全対策の観点から見れば明確に使用期限が
決められていることは重要なことだと思います。

しかし、その使用期限の説明義務と責任の所在はどこにあるのか
はっきりとさせてほしいものです。

当院は添付文書の記載を守っています。
��在宅人工呼吸療法で使用する吸引チューブ等の材料の一部を除く)
そうすると他院から患者さんを紹介を受けたときに困ることがあります。

過去の例をあげるのであれば、人工鼻です。
人工鼻は添付文章に24時間毎に交換と記載されています。
しかし、24時間以上使用した場合でも加湿効率は維持されます。
長時間人工鼻使用に関する発表も多数あります。

私個人としては分泌物の付着が無ければ長時間使用も問題は無いと
考えています。
しかし、それを患者さん本人に説明が無く、ディーラーから
��週間に1個交換するように話があったケースもあります。
→これには私が頭に来たので仲介しているディーラーに文句を言いました。
  ディーラーから1週間で1個で良いと言われたと家族から聞いたからです。

胃瘻でも同様のことがおきています。
水バルーンタイプの胃瘻は使用期間が30日となっているようです。
しかし、数ヶ月単位で使用していることもあります。
商品の質が良いことからそうそう破けることもないと思いますが。
��1週間に1度は中の蒸留水を交換しますし)


いずれの場合も添付文書の使用期間は意味をなしていません。

はぁ~ ここで愚痴っても解決しないことなのですが。
在宅で良質な医療を展開するためには、それなりに医療物品が必要です。
それを医療保険でカバーするだけの点数は付いていません。
まして医療費は抑制の方向ですから、、、

困った問題です・・・。

4 件のコメント:

  1. 本当に困った問題ですよね。
    お金持ちでなければ良質な医療は受けられないのでしょう。

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  2. ��ぽっぽさん
    困った問題です、、、。
    いつも目の前にある「問題」です。
    保険診療制度は高齢化に向けて崩壊が進んでいると推測して近い将来「保険診療」と「自由診療」の混合診療が進むと思っています。
    ただ、在宅療養のコストまで自由診療が進んでは難病関連や在宅医療は維持できません。
    せめて臨床とのギャップを埋める方向で調整して欲しいものです。

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  3. http://sekison.org/weblog/2007/07/post_84.html
    以前私がまとめた記事ですが、これは果たしてどうなんでしょうかね?

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  4. ��Akiraさん
    返信が遅くなりすみませんでした。
    記載頂いたblog拝見させて頂きました。
    結論を先に記載しますと人工鼻の交換周期は医療機関によって異なります。
    添付文章上は24時間で交換をすることを推奨しています。CDCのガイドラインはAkiraさんのBlogに記載されている通りです。学会発表等では「1週間の使用でも問題は無い」とか「30日間の使用でも問題は無い」と言った発表も聞かれます。
    注意したのは痰の少ない方の場合で人工鼻を交換する必要に当てはまらなかった場合です。このようなことから、人工鼻の交換は医療機関独自の判断となっていることがあります。
    この交換周期が「良い」「悪い」は一言では言えません。それはコスト(お金)の問題が入ってくるからです。安全性と経済性の両立が難しいのも医療材料費問題です。

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