在宅医療に従事して6年半が経過しました。そりゃ~俺も歳をとったOrz
医師の診察時間は限られていることから、私は患者さんや家族とゆっくり話す時間を作ることがあります。在宅に戻ってから出きることや、出来ないこと。これから予測される病気の進行や利用できる制度。おかげで介護保険やら特定疾患、身体障害者手帳や福祉受給者証など、制度についての知識を持つことができました。とは言え、付け焼刃なので概要だけ話をして専門家(ケアマネなど)につなげていきます。
そんな話をする中で、どうしても決めて行かなければならないことが出てきます。神経筋疾患の方であれば、治療の選択であったり、COPDの方であれば、利用するサービスだったり。
最近思うのが自分が提案していることは、医療者のエゴなのか?と思うことがあるからです。
独居で1人暮らしの方が転倒する機会が増えたという。1日1回は看護師やヘルパーさんが顔を見える機会を作りましょうねと提案しても、患者さん本人は1人の時間を作りたいという。もし転倒して起き上がれずに、翌日とか翌々日に発見されるなんてことを想像すると、安全管理の面からは、確認をする手順があった方がいいと考えます。一方患者さんの立場にあれば、週の中で何回かは自分ひとりの時間が欲しいと思うことも想像ができます。
病気の影響で経口摂取する量が減り、痩せてきた患者さんに胃瘻の説明。胃瘻は「延命」というイメージが強い場合には、誤解を解くところから始まります。でも、大きな治療の流れの中でみれば「延命」として間違ってはいません。ここ数ヶ月で2名の患者さんに胃瘻の説明を行い、1名は胃瘻造設、1名は保留になっています。
私個人的には病気の進行を助長するような「痩せ」は回避すべきだと思っています。
在宅医療に携わっていると対応する疾患別に「こうあるべき」という筋道を考えたくなります。でも、それは患者さんのQOLを低下させているのかもしれないと思うことも多々あります。家族関係がギクシャクしているケースでは、もっと大変です。
患者の「自由」を確保しつつ、医療者側の考える療養生活の提供を遂行していくために、日々考えています。
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