2010年5月25日火曜日

立会い規制

ちょっとマニアックな医療ネタです。

立会い規制の「解説」ということで、
どの程度の噛み砕いて
記載すると分かりやすいか・・・。

コメントを頂きましたakiraさんがどの程度ご存知か?
また医療者かどうか?
もしかすると患者さんの立場なのか?
色々な立場を想定して、とりあえず噛み砕いて
解説したいと思います。

まず立会い規制に至る経緯をちょっと記載します。

立会い規制は平成20年4月1日から実施さました。
まず、この「立会い規制」とは何ぞや?
といったところなのですが・・・

簡単に言いますと
「医療機器メーカさんが医療機関内で
技術提供(お手伝い)することを禁じた」規制です

ここで一般の方からすると、
えっ 病院の中でメーカさんがお手伝いしているの?
とか、メーカさんが院内で仕事していることっていいの?
とか、人手が足りないんだよね?
色々ご意見があるかと思います。

問題の根底は、医療機器メーカさんが
医療施設内部で医療技術提供に携わっていいの?と
いう問題に始まります。
また、無償でお手伝いをしてくれることは、
そのメーカの商品を使用することにもつながり、
病院側とメーカ側の癒着にもなります。
メーカさんは病院職員でないことから、
個人情報の守秘義務や安全管理の面でも
問題があります。
さらに、法令的な問題もあります。

と、悪いことばかりに見えますが、
日進月歩の医療技術の中で医療機器メーカが
立ち会わずには出来ない新しい技術・治療・製品も
あることも事実です。


と、まぁ~ 今までは、とりあえずショウガナイ(^^;
と言ったグレーゾーンで行われてきました。
重箱の隅を突くと、有資格者の医療機器メーカさん
ならいいの?と言った問題にもなります。
��実際今の立会い規制では制限されます)
現に多くの医療機器メーカには医療系国家資格を
有した優秀な人材が多く所属しております。

そんな「立会い」に対して一定の線引きをしたのが
「立会い規制」です。
この立会い規制に関しては日本臨床工学技士会より
��&Aが出ています。

http://www.jacet.or.jp/00osirase/pdf/tachiai_qa.pdf

立会い規制ができたことで、我々臨床工学技士の
業務が拡大したという話も耳にするところです。
移行期間を終えた今 新たな課題が見えてくると
思っております。
例えば、本当に「立会い規制」は守られているのか?等です。


ちなみに今回 ブログに記載したHMVの課題で
「立会い規制」を上げたのは、HMVに関しては立会い
規制の制限をそれほど受けていないと感じています。

課題は「立会い規制を受けていない」のではなく、
「HMVへの立会い規制をどう整備していくのか?」です。
��MVは医療関係者のみならず、医療機器メーカーの
社会的責任というボランティア精神に支えられている
部分も多くあります。
平成19年度より医療機関における医療機器の管理が
厳しくなりました。これは病院・診療所関係ありません。
もちろん在宅医療も含まれます。

��MVは在宅にて高度医療機器を使用します。
安全点検には、それなりの費用が必要です。
しかし、現在の診療報酬には「保守点検のための費用」は
上乗せされていません。
��MVでは、多くの場合医療機器メーカが自宅へ
点検に行っているはずです。
この費用は、、、メーカからの持ち出しです。
つまり「赤字」の素になります。


間もなく発売される2010年在宅呼吸ケアでも
��MVの増加率は増えていると予測しています。
��MVに関しての「立会い規制」は柔軟な対応が
必要と思っております。

こんな所で「解説」になりますでしょうか(^^;



学会で座長をされた方から本日以下のようなメールを
頂きました。一部を抜粋します。

+---------------------------------------+
在宅環境の様々整備が立ち遅れて早20年の節目に
法的、行政、診療報酬体系、そして医療機器の向上と
療養環境変化が大きく変わってきています。
この事に手を差し伸べなければならないことは、
限られた医療資源を有効に利用し、適切な医療費
��医療資源)をプロポーシャナルにし、無駄な経費、
必要経費を適切に整理して、必要な部分に供給する
ための努力が必要です。

+---------------------------------------+

HMVでは多くの医療スタッフが携わる必要があり、
医療機器メーカも「医療スタッフ」の一員です。
HMVを続ける患者さん、家族、提供する医療側が
安心・安全のHMVを行うためには必要なことかと
思った次第です。

とは言え、「言うは易し・・・」
昨日の聴講者の数からしても、まだまだ啓蒙が必要です。

2 件のコメント:

  1. ご丁寧にありがとうございます。私はHMVに関係している人間です。実は「立会い規制」と言う言葉自体をはじめて聞きましたが、今回説明していただいたおかげで大体把握することが出来ました。
    実際のところHMVにおいては業者の方がかなり積極的に関わっておられるケースが多いように思います。と言うのも、在宅のドクターや訪問看護師は機器について詳しい方が必ずしも多くなく、かと言ってCEさんが関われるケースが非常に少ないので、結果として業者さんに頼らざるを得ないというのが現状だと思います。
    話はそれますが、病院における立会い規制はCEさんの立場の保障にもつながっているのでしょうね。要は業者さんが入ってよければCEさんの立場がなくなってしまいそうですしね。

    返信削除
  2. ��akiraさん
    医療機関内の「立会い規制」をそのままHMVで規制することは、患者さんに取っては不利益になると考えます。しかし、全くルールが無い状態を続けることも良くありません。ある程度の指針等が必要ではないかと思っています。
    「立会い規制におけるCEの立場保障」は誤解を招いてしまったようです(^^;決してCEの立場を保障するものではありません。立会い規制は、業者-医療機関(医療者側)-患者さんの利権を守り、業務区分を明確にするものです。CEは全国に約2万人いると言われていますが、CEが不在の医療機関も多々あり、NsやDrが対応しているはずです。

    返信削除