今日は臨床ネタを1つ。
先日 神経筋疾患の患者さんでNPPVを使用中の患者さん宅へ、設定変更目的で自宅訪問しました。病気の関係で、低換気となり、自発呼吸だけではSpO2が90%前半。夜間就寝時はSpO2が極度に低下する患者さんです。
閉塞型睡眠時無呼吸の単独であれば、CPAP療法で対応が可能です。しかし、今回は基礎疾患に神経筋疾患があり、低換気であることから明白です。NPPVを選択しました。
と、、、ここまでは、だいぶ前の話。
現在は設定を微調整中なんです。
病院であれば、いつでもアセスメントを取りに行けるのですが、在宅ではそうは行きません。ここ何回かの調整では、当院の看護師を中心に設定変更をしてもらっていました。
担当する看護師から、閉塞型と思われる無呼吸が継続する報告をもらい、私も患者さんの所へ。
今回新しい課題が、、、覚醒時にNPPVを使用すると過換気傾向になることです。当然と言えば当然なのですが。
今まではNPPVを開始すると同時に寝てしまうこと、普段から低換気だった所にNPPVが作用することで、分時換気量が一般的な標準値程度まで確保されていました。しかし、私が同席したことで緊張してしまったのか?別な要素があったのか? 分時換気量で5~6L/分でいいところに、10L/分以上換気が(^^;
さて、従来の設定では無呼吸が残存すると思い、圧力を上げる方向で医師から指示をもらっていました。しかし、実際の様子は明らかな「過換気」です。ここで圧力を上げてしまうと、過換気を助長してしまいます。今回の過換気が今回だけなのか?次回以降も発生するのか? 少なくともNPPV練習で介入してもらっている訪問看護スタッフからは過換気の報告は入っていません。
今回は設定をさわらずに引き上げました。
次の作戦は
・看護師単独で再訪問してもらい、NPPV使用中の過換気が再現されるか?
・私が単独で再訪問して、NPPV使用中の過換気が再現さえるか?
・機種変更をして換気量保証型のNPPVを導入し目標TV、IPAPminとIPAPmaxを設定するか?
そんな作戦を考えている最中にケアマネから電話が。今後の在宅での生活について色々検討する事項があるとのこと・・・。
多くは記載できませんが、NPPVを使用して独居でいる方もいますし、家族の方からマスクの装着を介助してもらうケースもあります。NPPVを使用中のため、施設への入居が困難になるケースもあるようです。
在宅でのNPPVは、患者環境に合わせて進めて行かないといけないことが大変です(^^;
私も先日、同様の症例に遭遇しました。
返信削除結論から言えば、従量式のCVモード選択+夜間のみ口鼻マスク(日中は鼻プラグ)でした。
夜勤で経皮CO2モニターを装着して一晩中見ながら、あれこれ調整をしましたが、従圧式では閉塞によってスグ設定圧に達してしまい、1回の送気量が半減という状態が3~5送気ほど続き、そのうちゼロに、そして心拍が上昇して閉塞が回復、この繰り返しでした。胸郭が硬くなっているとか体幹変形が著しい神経筋疾患では、疾患進行によっては従量式の方が向くと思われます(ただし、喉咽頭機能の障害が少ない場合の事です)。必要な換気量を設定しますので、昼間も過換気にならずにすみます。そして、それまで夜間は鼻マスクでのNPPVでしたが、閉塞していても設定量が送られるので高いPIPになり、鼻マスクが持ち上がってマスク周囲からエアリークをするため口鼻マスク(死腔が少なく日本人にフィットしやすいウィザードフィット)を使いました。
CO2もバッチリ飛んで、電解質も急激な変化でテタニーを心配した程です。
ある程度まで進行したら、従量式のトリガーOFFも視野に入れてはどうでしょうか。使用機種は、主と副を使えるアレでやりました。
釈迦に説法かもしれませんが、私の数日前の体験談として・・・。
��きっちさん
返信削除いつも貴重な情報頂きありがとうございます。
従量式でのアプローチという発想が頭にありませんでした。主/副のマシーンは使用経験があるので、OKです。
在宅では日中と就寝時の呼吸パターンが違う人ほど、呼吸器の設定に悩まされます(^^;日中の設定主体にしすぎると夜間は低換気になったり、夜間を主体にすると荷中は圧力で苦しくなったり。そんな時は主/副は有効的な手段ですよね。今回アドバイス頂いた従量式のCVは検討したいと思います!!
これからもご指導お願いいたします。