2013年2月20日水曜日

COPD/在宅での運動療法にCPAPを併用してみた

医療ネタが沢山ありますので、書きます。

在宅医療に携わって7年、えっ 7年も経つのか・・・ それは最近白髪が増えたとか、風邪が治らないと言われるわけだ。

脱線しました。

在宅医療では病院と異なり、出来ること・出来ないことがあります。もちろん、在宅だから「出来ること」もあるのですが、病院内にある医療設備と比較した場合には「出来ないこと」の方が多いです。

現在 当院には呼吸リハに精通した理学療法士(PT)が常勤しており、質の高いリハビリを提供できていると自負できます!!
少し前にPTから、COPDの患者さんの運動療法にNPPVを使用したいとの相談をもらいました。現在1症例、NPPVを使用しながらの運動療法を行っています。ただし、この1症例はCOPDの増悪時にNPPVを導入したケースで、もともと自宅にNPPVが置いてある状況です。

今回の新たに相談頂いたケースでは、NPPVは導入していません。んじゃ どうするか・・・ 当院には購入したNPPV機器があるので~す。

と、いう事でNPPV本体と鼻マスクを持って、PTと一緒に患者さん宅へ。

ここで、ちょっと復習。COPDの患者さんの場合、運動時に問題になるのは「動的加膨張」という問題です。健常人の方にはイメージしにくい現象ですが、COPDの患者さんの中で重症例において、運動時には吸った空気よりも、吐き出す空気の方が少ない。えっ その吐き出せなかった空気はどこに行くのか、肺の中にとどまります。吐き出せないので、肺に溜まるのです。そのため、肺がパンパンに膨れる状態になります。肺がパンパンになった状態では、次に吸うことができません。

安静時には口すぼめ呼吸を行うことで、呼吸リズムを戻すことが可能です。運動時には、そうは簡単にはできません。筋力疲労よりも、呼吸が苦しくて運動終了となってしまうこともあります。

医療機関の中では運動負荷時にNPPVを使用しながら運動耐用能を上げていくことも可能です。

で、当院は在宅でやってみよう!!

今回の患者さんに関しては、その場で足踏みを2分。始めはNPPVなし。足踏み開始10秒ほど経過すると、呼吸回数が上昇。呼吸リズムも不規則になりました。
一休みして頂き、まずはCPAPモードからのお試し。しかも、設定は4cmH2O
足踏みを開始してもらうと、呼吸回数は20回/分前後で安定。一回換気量も安定。本当はSモードによる呼吸補助も試したかったのですが、CPAP 4cmH2Oでそこそこ良さそうでした。

カウンターPEPPに相当するCPAP圧がちょうど4cmH2O前後なのかもしれません。、呼気がスムーズにできるようになりました。正直 こんなにあっさり呼吸リズムが安定してしまい、設定変更の出番もなく初回を終了。次回はCPAP 5cmH2Oを試してもらうことになりました。あと、フルフェイスマスクも。

在宅だからできないではなく、在宅でも出来る!!を少しずつ集めて行きたいと思います。

0 件のコメント:

コメントを投稿