2010年4月29日木曜日

「小春」の次は「いぶき」です

今日は医療ネタです。

「小春」「いぶき」と聞いて酸素濃縮器を思い出す方は、
いらっしゃいますでしょうか。
多くのメーカが英数字の型番を付けるに対して、
テルモは型番の他に名称を付けています。

画像


小春が出たときは、ついに酸素濃縮器にもバッテリー搭載の
時代が来たかと思いました。
小春は最大流量が3L/分です。
今回出た、いぶきは最大流量が5L/分です。

呼吸器学会でも展示されており、実物を見てきました。
バッテリー駆動時間も立派なのですが、注目すべきは
駆動音です。
説明書によると最大流量5L/分で32dBだそうです。
実際に学会展示ホールで聴いた感想としては、
思ったよりは静かでした。

みなさんが気になるバッテリー駆動時間ですが・・・
最大流量 5L/分で30分もつそうです。
おぉ~ これだけ時間があれば、停電時に慌てずに
ボンベの準備が出来ますね。

ちなみに内蔵バッテリーの充電時間は
バッテリーが空っぽの場合には24時間とのことです。


こんなことを記載すると、だれしもがバッテリー搭載の
酸素濃縮器を使用したくなりますよね。
まだ当院は臨床使用していませんが、個人的には
いぶき自体が大量に出回るとは考えにくいです。
やはりバッテリーを搭載している分だけコストが高いからです。

話は代わりますが、先日呼吸器学会で自分と同じセッションの
��rがHOT中止の条件に関しても検討する必要があることを
発表されていました。
日本の在宅酸素療法は他の国にない優れたサービスです。
しかし、医療費が増大している中で、患者さん個々の病態で
��OT継続必要かどうか その都度検討していく必要があると
思います。

新しい酸素濃縮器も出てきましたが、本当にバッテリーが必要な
患者さんの手元に「いぶき」「小春」が届くように、患者さん個々の
病態に合わせた器械の選択が必要と思います。





4 件のコメント:

  1. いつも感じる事をひとつ。
    ��OTの場合、酸素濃縮器とボンベを併用。濃縮器のトラブル時にもボンベで対応ができ、外出時の事も考えられています。
    一方、長期人工呼吸の場合、1台の人工呼吸器のみ。外出時はリスクを冒してコンセントを抜き、移動させます。
    しかもご存知のとおり、人工呼吸器はリコールが示すように、故障やトラブルが皆無ではありません。さらに3ヶ月か半年でシリコンが劣化するマスク類が、1年に1個のみです。
    これは生命維持装置ではなく、呼吸補助器という扱いだからでしょうね。でも、実際には生命維持装置として使用しているケースも多いです。
    比較するものでは無いのかもしれませんが、この辺りを訴える声が少ないのでしょうかね?
    どなたか、この状況をまとめて報告や請願していただけないかな?出来れば当事者が一番望ましいです。

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  2. ��きっちさん
    コメント頂いた問題は、在宅人工呼吸に携わる立場として日々感じております。人工呼吸器に関連したアラーム指針でも外部警報を使用することが記載されていますが、在宅では外部警報を導入すること自体が自費となってしまいます。
    安全対策の面からしても、予備の呼吸器やマスクの複数提供、外部警報装置の無償提供等が必要だと思います。
    とは言え、医療保険が破綻寸前の現状では、直ぐに解決する問題ではなさそうです。
    医療機関の立場からみた現状のHMV問題点を来月の学会では話をする予定でいます。

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  3. いろいろと無償提供の依頼は、直接メーカーへ来る場合も多いです。しかし、病院との限られた契約金額の中では、全員へのパーフェクトなサービスはなかなかできないのが現実です。
    しかし、私も考えてみます。
    どちらの学会ですか。

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  4. ��苺ママさん
    NPPVにおけるマスク等の無償提供の問題はとても難しい課題だと思っております。通常1年に1個の交換を想定している中で、使用時間が長い患者さんの場合には、3ヶ月~半年でマスクが劣化します。苺ママさんから記載頂いたように、医療機関との契約の中でのサービス提供には限界があります。また、メーカ毎に対応が一律でないことは結果的に患者さんにとっては不利益です。とは、言え全てにパーフェクトを提供できるほど医療保険体系に金銭的な余裕は無い。
    学会は5/22-23日本臨床工学技士会学術大会です。ワークショップで課題を頂いております。今学会で解決できる課題とは言えませんが、問題提起をできればと思っている次第です。

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