土曜日に開催された慢性期NPPV勉強会について、少し・・・。
当県では、数年前まで某メーカが主催していた急性期を主眼としたNPPVの勉強会は多数開催されてきました。親会社が変わった途端に、会社の方針も変更になり勉強会は無くなりました。
県内でNPPVを積極的に行っている施設と、そうでない施設の差が見えてきたなかで、改めてNPPVの普及を推進しようと計画されたのが、今回の慢性期NPPV勉強会の目的でした。記念すべき1回目は、西の方から著名な先生をお招きし、ご講演頂きました。
「慢性期のNPPVについて」というタイトルで、NPPVに普段携わる機会の少ないスタッフから、ベテランまで幅広い内容で講義を頂きました。私個人としては、早くも今年トップ5入る勉強会だったと感じています。
私が注目していた点は、慢性期COPD患者さんへのNPPVの圧力設定です。昨年くらいから、IPAPを高く呼吸管理を行う方法です。(High Intensity NPPV:高いIPPAとバックアップ呼吸回数の増加)
ガリガリやせ型タイプのCOPDが多い日本に高いIPAPが必要なのか?そもそも高くIPAPを上げる目的は?
ここから勉強会に参加した私の私見を含みます。
IPAPを上げる、呼吸回数を上げる目的は換気量を増やして、PaCO2を低下させることです。ここで、私の中で疑問が・・・Ⅱ型の呼吸不全の患者さんはもともとPaCO2が高い。PaCO2が高値でもpHが安定している患者さんにハイパーベンチレーションさせて夜間だけで極端にPaCO2を下げることはどうなのか・・・。夜間のNPPVは呼吸中枢のリセッティングによりPaCO2の上昇を防ぐことが可能です。しかし、余剰にPaCO2を下げさせることがいいのか?
というモヤモヤ感がありました。
講義の中のスライドでは
・NPPVを施行例の方がPaCo2が低下する
・IPAPが高い患者さんの方がPaCO2がさらに低下する
しかし
・日中のPaCO2の差がない
・PaCO2の低下が生命予後が良くなるかもしれない・・・が、まだ分からない。
・では、長期NPPVではPaCO2はどの程度を目指すべきか、とりあえず60mmHg以下
この件でPaCO2の低下が明らかなエビデンスを持つには
もう少し時間が必要かもしれません。
懇親会で、講演頂いた先生と直接話を伺いました。
・欧米人の太ったCOPDでは胸郭コンプライアンスが低いことから高いIPAPが必要
・日本でも現在のIPAPよりももう少しだけ上げてもいいのかもしれないが、まだ詳しいことが分からない
拘束性肺疾患やCOPDへの慢性期NPPVでは、今の所PaCO2を60以下を目標に調整!!
皆様も慢性期NPPV ご興味を持って頂ければ幸いです。
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