2011年5月24日火曜日

在宅人工呼吸器の入れ替えは、上手くいかないこともある

さて、今日は医療ネタです。

タイトル通り・・・
「在宅人工呼吸器の入れ替えは、上手くいかないこともある」
いやぁ~ 結論から先に書くと、今日入れ替えを行ったケースでは
上手くいきませんでした。

病院内と違い、在宅人工呼吸器で呼吸器を入れ替える場合には
事前の準備が必要です。
特に新しい機種を使用する場合には、家族への説明も当然ながら
訪問看護ステーションスタッフにも説明が必要です。

うちの場合、呼吸器の機種を変更する場合には
通常2~3週間ほどの準備期間を設けています。
ステップ1  本人、家族への説明
ステップ2  訪問看護ステーションへの説明
ステップ3  従来の機種を残したまま、新しい機種を試す(1週間くらい)
ステップ4  評価

で、まぁ~色々やっていると、2~3週間はかかります。
そんな時間をかけても、上手くいかないことがあります。
それは患者さん本人との相性の問題です。

在宅人工呼吸療法は、自宅で人工呼吸器を使用します。
長時間同一機種の呼吸器を使用していると、
その呼吸器からの送られてくる換気量やフロー波形、トリガー感度・・・
全ての要素が患者自身の呼吸リズムとなります。
同一機種への変更は、全く問題はないのですが・・・
新しい機種へ変更する場合には、この「呼吸リズム」が問題です。

吸気時間を変更したり、ライズタイムを変更したり、トリガーを変更したり・・・
色々やってみたのですが、患者さんからは「前の呼吸器がいい」とのこと。
これは もう仕方のないことです。

と、言うわけで・・・ 上手くいかないこともあります。
ここを無理にゴリ押ししても、苦しい思いをするのは患者さんとなって
しまいます。
無理して押さずに、素直に引き上げました。

科学的に考えると、フローアナライザーがあれば吸気フロー波形の形の
違いなんかを目で見て確認できると思います。
以前 参加した呼吸リハ学会ではK大学のMEさんが、
在宅向け人工呼吸器の吸気フロー波形の違いを発表されていました。

準備をして無駄になったか・・・ 確かに上手くいかなかったので
無駄になったかもしれないのですが。
いきなり新しい呼吸器を持って行って、トラブルが発生する方が
大変です。
今回の結果は、また次回に生かせると思います。

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