2007年10月5日金曜日

慢性期COPDへの在宅NPPV導入・・・

今朝1時頃から書き始めて・・・
書き終わらずに、、、途中で力尽きて寝てしまい{%orz_a%}
夕方になってしまいました。

ちょっと前のブログにコメントを頂き、それがきっかけで
今回のタイトル「慢性期COPDへのNPPV導入」

えぇ~と 不特定多数の方が このブログ読む可能性があります。
そんな「不特定多数の皆様へ」
 くれぐれも、医師の指示をご確認下さい

それと、私の短い臨床経験を踏まえて私見を交えて記載します。
間違っている?箇所もあるかと思います。
あまり過信はしないで下さい

では、スタート!!です。


少し前に発売になった
NPPV(非侵襲的陽圧換気療法)ガイドライン(日本呼吸器学会)を
参考にすると、COPDの急性増悪はエビデンスレベルⅠ、推奨度B

参考
 エビデンスレベル
 Ⅰ. システマティックレビュー、マタアナリシス
 Ⅱ.1つ以上のランダム化比較試験
 Ⅲ.非ランダム化比較試験による
 Ⅳ.分析疫学的研究(コホート研究や症例対象研究による)
 Ⅴ.記述研究(症例報告やケース・シリーズ)による
 Ⅵ 冠者データに基づかない、専門委員会や専門家個人の意見

 推奨度 
 A 行うことを強く推奨する
 B 行うことを推奨する
 C 推奨する根拠がはっきりしない
 D 行わないように勧められる
 * NPPVガイドライン作成委員会として推奨する

と、言うことで COPDの急性増悪には、NPPVはやらねばならぬのです。
しかし、慢性期COPDには同ガイドラインではれべるⅡ、推奨度C*
「1つ以上のランダム化比較試験はされている」でも「推奨する根拠がはっきりしない」
が「作成委員会としては推奨する」となっています。

慢性期COPDに関する情報量が少し不足しているようです。
今後のガイドラインの更新時には注目の項目だと思っています。

ここまで長くひっぱておいて、私自身はCOPD急性増悪を数例・・・(少なくてすみません)
今現在 在宅でCOPD NPPVの患者さまに往診で関係しています。
が、導入後の往診依頼のため、純粋に導入時には携わっていません。
その方は、夜間NPPVを一定時間使用することで、QOLの向上に
繋がっていると確信しています。


ここから先は、少し経験的な話になります。
慢性期COPD患者さまへのNPPV導入の成否は、初期導入時の圧力設定に
かかっていると思います。
初期値が中途半端に低いと、呼吸補助にならずに呼吸疲労を増加させて
しまいます。
また、過度な助長も呼吸不同期の原因となります。

導入時にマスクやNPPVに慣れてもらうことに慎重になりすぎて、
圧力設定が不適切だと、導入のタイミングを逃します。
患者さまが拒絶されるからです。
急性期のように緊急を要する場合は、患者さまも意識レベルが低下している
こともあり、、、すんなりマスク装着してくれるのですが。
慢性期の場合は、導入を目的に教育を兼ねて話をしていくため、
どこか自分の呼吸に合わないことがあると、、、すぐに嫌がってしまうようです。


慢性期COPDへのNPPVは、導入後の管理の方が大切で、
長く上手にNPPVを使用してもらうことで、再入院の回避が期待できます。

ちなみに上述した、今往診している患者さんの場合、、、
往診初日にしてIPAPとライズタイムを変更しました。
それは、呼吸アセスメントを診ての変更でした。
��PPVを使用しているのに、呼吸補助筋の緊張が続いている・・・
自発呼吸とNPPVの送気リズムが合っていない・・・
往診初日の初対面にして設定変更させてもらいました。

変更後は、夜間覚醒が少なくなり 楽になったとのことです。



��:::: ちょっと余談 :::::

聞いた話です。
��OPDで在宅でNPPV+HOT(在宅酸素療法)をしている患者さん。
定期受診した病院で、あるとき先生から
「NPPVをそんなに頑張らなくてもいんじゃない」と言われたそうです。

それを聞いた患者さんは、NPPV使用時間がどんどん短くなりました・・・。
夜間はHOTのみを使用していました。
あるとき、意識朦朧(もうろう)となり病院へ・・・。

��O2ナルコーシスだと思われます。
��PPV+HOTで酸素化と換気のバランスが取れていたところを
��PPVの使用時間が少なくなることでCO2ナルコーシスになって
しまったと推測されます。

で、幸い 大事にはいたらず。
今はご自宅でNPPV+HOTを継続しているそうです!!







2 件のコメント:

  1. ぷーーさん2007年10月5日 5:38

    いつも見に来ています。
    やっぱり慢性COPD者のNIPPVは実践されているんですね、すごく良い情報をいただきました。
    こちらの場合は北海道で、冬期の薪ストーブが危険
    とのことでボーダーラインの患者さんにHOTができません。
    鼻マスク良くなっているし、BiPAP効かせて
    夜間だけでも呼吸仕事量を減らせるのではないかと、家庭用のNIPPVに関心がありました。
    エアウォーターでもリースを神経難病の方に出しているようですし、
    そのガイドラインも読みました。
    ただ、健常者でNIPPV使うと、ものすごく苦しいらしくて、自発呼吸ありの方にどう適応したらよいのかわからずにいました。
    また詳しく教えてください。
    ウェブリブログのアカウントあるので
    あとで、メッセージ送りますね。
    どうかよろしくお願いします。

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  2. ��ぷーーさん
    コメントありがとうございます。
    私の短い臨床経験の中での出来事なので、
    情報量としては多くはありません。
    が、何か参考になれば幸いです。
    「北海道」という地域特有の問題点も
    あるようですね。
    薪ストーブとなると、火の調整をする関係で
    火元に近づいてしまいますよね。
    う~ん・・・ HOTは危険ですよね。
    慢性期COPDの方に、NPPVを使用するのは
    選択枝の一つだと思います。
    本人の理解があり、NPPV機器と同調する
    ことができればQOLの向上に寄与すると
    思います!!
    強く言い切ることができずにすみませんm(_ _)m

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