2009年12月7日月曜日

呼吸器外し「依頼された」が2割 難病ALS治療

今日はもう1つUpします。
ネット系のニュースでご覧になられた方も多いかと思います。

『呼吸器外し「依頼された」が2割 難病ALS治療で医師』
http://www.47news.jp/CN/200912/CN2009120501000560.html
記事本体は消える可能性があります。

私は呼吸管理でALSの方への往診診療に携わっています。
記事を拝見してとても複雑な気分になりました。
当院は呼吸器系であることから、当然 神経内科宛のアンケートは
来ることもなくアンケートの具体的内容は分かりません。

ただ、ニュースで書かれている内容から推測すると、
アンケートで問われていたのはTPPVのケースかと思います。

この件に関しては多くのご意見があるところだと思います。
今回のニュースでアンケートを企画された先生は、
以下のように記載されています。

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「少なくない医師が患者や家族の切実な願いに直面して
悩んでいる。社会的な議論が必要」としている。

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少し前にテレビで放送されていたALSの方の場合、
コミュニケーションが取れなくなった時点で
呼吸器を外して欲しいと言われていました。
病院の倫理委員会は許可を出したが、病院長は許可を出せないと
言っていました。

個人的な意見として、上述された先生のように
社会的議論が必要だと思います。


6 件のコメント:

  1. 神経難病の呼吸管理については、日本と諸外国で大きな違いがあります。文化や風習が違うと言ってしまえばそれまでですが、本当に日本スタイルが良いのかの議論がなされていないので、何よりもその議論が必要では無いでしょうか。その上で、日本スタイルを維持するなら、そのための方法とシステムを作らないと今日のような難題にぶつかるでしょうね。
    何が正しいかは歴史としてしか結論が出ませんが、議論は必要ですし、人工呼吸器外しの前の段階(導入時)の議論こそ本当は一番必要な議論だと思います。
    以上、あくまでも個人的見解です。異論もあろうかと存じますが、管理人さんに迷惑が掛かると困りますので、この問題に対しての私の意見はここまで~っ。

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  2. ��きっちさん
    貴重なご意見を頂きありがとうございます。
    私自身も医療者として議論が必要だと思います。
    私は呼吸器(NPPV・TPPV)の必要になった
    場合にコンサルトを受ける立場なので、
    どのような経緯で呼吸器を選択したのかの
    経過を知りたいと思っています。
    とてもデリケートで難しい問題であることには
    違いなく、医療側だけが論じることでは何も変わらないことは違いありません。
    今後の経過に注目したいと思っています。

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  3. お久しぶりです。
    とても難しい選択ですね。人工呼吸器のとらえ方にもよると思います。一般の方は人工呼吸器=延命措置ととらえられる方が多いですよね。同じ人工呼吸器と言っても、NPPVなのかTPPVなのかでも違ってくると思いますのでほんと難しいですよね。
    自分が今、勤務しているところではNPPVがまだ、普及していないのでなんともいえませんが…。
    ただ、以前勤務していた神経系疾患の方にはどこまで治療するか家族とともに事前に話し合うことが多かったです。

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  4. ��ポパイさん
    貴重なご意見を頂きありがとうございます。記載頂いたように一般の方にはTPPVもNPPVも関係なく「人工呼吸器」として1つの治療としてみなされていると想像できます。
    NPPVの性能が飛躍的に向上していることも要因の一つかと思います。
    ポパイさんが以前勤務されていた医療機関のように主治医・患者さん本人・ご家族を含めた相談が沢山できる環境は望ましいと思います。また、相談された経緯が在宅医療を引き続くかかりつけ医や訪問看護ステーション、ケアマネ等へ引き継ぐことがされれば「意思の尊重」を共有できるかと思います。
    理想論になってしまいますかね。。。

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  5. この場でのコメントはここまでと言いつつ再登場です。管理人さんの『NPPVの性能が飛躍的に向上していること』に関してですが、先日、六本木ヒルズの森美術館で『医学と芸術展』を見てきました。な・な・なんと!鉄の肺の実物がありました!来年2月28日までだそうです。興味とチャンスがあればどうぞ^^)ⅴ
    http://www.mori.art.museum/jp/index.html
    この鉄の肺から50年~60年で今の人工呼吸器なのですから科学の発展は凄いですね。

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  6. きっちさん
    東京におられるということは
    出張ですね。
    鉄の肺 見たいです!!
    年明けに何か機会が無いか、、、
    考えます!!

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