2013年6月19日水曜日

在宅医療でNPPVのマスクを自費で購入させている業者さんがいる件

医療ネタです。

在宅人工呼吸療法に従事していると、訪問看護ステーションのスタッフや保健師さんから色々な質問がきます。私の担当する患者さんでないことも多くあります。万屋状態なのですが、全然かまいません。将来、うちの業務に関係することに繋がる可能性もあるからです。

先日ご相談頂いた件。NPPV使用中の患者さんでマスクが自費になるのでしょうか?との質問。どうやら、2個目から自費で購入しているケースがあるようでした。

色々なケースがあるかと思いますが、基本的にはNPPVのマスクは「療養上必要な回路部品その他付属品」に 該当すると考えます。

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C164 人工呼吸器加算
在宅人工呼吸を行っている入院中の患者以外の患者に対して、人工呼吸器を使用 した場合に、いずれかを第1款の所定点数に加算する。療養上必要な回路部品その他付属品(療養上必要なバッテリー及び手動式肺人工蘇生器等を含む。)は当該所定点数に含まれ、別に算定できない 。

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NPPVで使用するマスクがなければ「療養」できないですよね。そのため、基本的には患者さんには無償で提供されるべき代物だと考えています。無償といっても、NPPVであれば医療保険6480点=64800円の中に含まれるため、自分で負担していることになります。3割負担であれば、19440円の中に、呼吸器本体のレンタル代金、療養上必要な回路部品その他付属品が含まれます。

なぜ「基本的」と書いたかといいますと、各メーカで取り扱っているマスクの種類が異なります。そのため、メーカが取り扱っていないマスクを担当者に依頼しても無理があります。さらに、このマスクの単価が高いのです。そのため、1カ月に3~4個も交換となると、メーカ側が赤字になってしまいます。このあたりの線引きが難しい。


通常24時間NPPVを使用するほど呼吸器へ依存度が高い場合には、数種類のマスクを使い分けていることが多いはずです。
CPAP療法で1日4~8時間マスクを使用される患者さんの場合、1個のマスクで6~12カ月ほど長持ちします。もちろん使用する環境やお手入れの具合にもよりますが。



2 件のコメント:

  1. お疲れ様ですm(__)m
    基本的に在宅人工呼吸では自費で消耗品購入はないかと思います。業者は病院と契約をしていて患者さんと契約してる訳じゃありませんし、5個も6個も壊されちゃうなら請求は患者さんでなく病院と交渉して病院に請求するのが筋で、それにより指導管理をしている病院は患者さんに指導するという構図かと思います。勝手に医師の指示もなくマスク販売は指示違反であり違法かと。又色々な事情により患者さんへ販売の場合は医師、もしくは病院の指示を受け了解がないといけないかと( ;∀;)

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  2. >Mさん
    お疲れ様です。消耗品であるマスクを1カ月に4~5個も破損するようであれば、管理手法が問われますよね。
    今回は在宅でNPPVマスクを自費購入されているという話を聞き、問題提起がしたくブログに書かせて頂いた次第です。
    「療養上必要な回路部品その他付属品」を自己購入されているケースがありましたら、医療スタッフに相談して下さい。と書いても、医療スタッフ側が、この制度を知らないとどうしようもないか・・・

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