2026年2月2日

【CE向け金銭学】機械には強いけど「お金」には少し疎い私たちが、2026年の賃上げについて知っておくべきこと

昔から、私のブログを読んで頂いている人からすると、最近、タイトルが過激だなぁ~と思われるかもしれません。今時のAIブームにのり、AIと壁打ちしながらブログを作成しています。といはいえ、AIの作成したブログ内容をそのままコピーしないように気を付けています。今回はタイトルは、そのまま貼り付けました(笑)

本題です。
臨床工学技士(CE)の皆さん、普段「自分の給与がどう決まるか」を意識していますか? 「毎日必死にアラーム対応や点検をしていれば、給料は後からついてくるはず……」 そう思っているうちに、世の中の賃上げラッシュに取り残されてはいないでしょうか。昨年のニュースで見た世間のボーナスと医療業界のボーナスの解離にガッカリした人も多いのではないでしょうか。2026年(令和8年度)、国の診療報酬改定という形で、私たちの手元に届く「お金」のルールが大きく変わります。

1. 国が掲げた「3.2%」という具体的な数字

2026年度の診療報酬改定。最も注目すべきは、私たちメディカルスタッフに対する「+3.2%」のベースアップ(賃上げ)という目標値です。前回の改定(2024年度)でも賃上げの仕組みはありましたが、今回はさらにその上を行く、過去最大級の引き上げが計画されています。上げられない医療機関も出てくる可能性もありますが・・・。

2. 「ベースアップ評価料」って何?

病院やクリニックの経営には、電気代や材料費など様々なお金がかかります。通常、診療報酬で点数が上がっても、それがスタッフの給料に回るかどうかは経営者の判断次第でした。

しかし、この「ベースアップ評価料」は違います。(

  • 用途が限定されている: この点数で得た利益は、必ずスタッフの賃上げに充てなければならないという「紐付き」のルールがあります。

  • 私たちのための点数: 私たちが現場で働き、その対価として得た点数が、そのまま私たちの給料を支える原資になるのです。

     

3. なぜ「ベースアップ」が凄いのか

「1万円のボーナス」と「1万円のベースアップ」は、価値が全く違います。 ベースアップ(基本給の底上げ)が起きると、以下のような「連鎖反応」が起きるからです。

  • 残業代が上がる: 基本給を元に計算されるため、同じ時間働いても手取りが増えます。

  • 賞与(ボーナス)が増える: 「基本給の〇ヶ月分」という計算の「基本給」が底上げされます。

  • 将来の年金が増える: 納める社会保険料が増えることで、将来の安心も少しだけ厚くなります。

月給30万円の人なら、月々約9,600円のアップ。年収に換算すると(ボーナス等を含め)、15万円〜20万円近くの差が出る可能性があります。

4. 私たちがすべきこと

「お金の話は苦手だから」と目をそらさず、まずは自院がこの「ベースアップ評価料」を算定しているか、興味を持つことから始めてみませんか。

臨床工学技士という専門職が正当に評価され、安心して長く働き続けるために。今回の改定は、機械のメンテナンスと同じくらい、私たちの人生にとっても大切な「メンテナンス」の機会なのです。


引用元:

  • 厚生労働省:令和8年度診療報酬改定の基本方針(2025年12月決定)

  • 日本医師会:2026年度診療報酬改定に向けた提言


2026年1月30日

2026年改定の「光と影」3次医療圏の整理と臨床工学技士のゆくえ

 

はじめに:2026年、追い風の裏にあるもの

2026年度の診療報酬改定。私たち臨床工学技士(CE)にとっては、手術支援ロボットでの配置要件化や処遇改善など、一見すると「追い風」が吹いているように見えます。しかし、私のは、その評価の裏側に、国が描く「もう一つの冷徹なシナリオ」が透けて見えます。それは、「3次医療圏の解体と再編」です。クリニックに勤務している私が感じているくらいなので、総病院に勤務されているCEの方々の方が、現実を見ていると思います。

「集約化」という名のふるい

今回の改定で、ロボット手術に「常勤CEの配置」が義務付けられました。これはCEの価値を認めた結果ですが、裏を返せば「CEを常勤で雇えない、あるいは症例数の少ない病院は、高度医療から撤退しなさい」という通告でもあります。そもそもロボット手術は医療機関の支出が多いと分野と言われています。

高度な医療機器、そしてそれを扱う専門職を、限られた拠点に集める。これが国の狙う「選択と集中」です。人口が減り続ける日本において、すべての地域に同じレベルの3次救急を維持することは、もはや不可能だと国は判断していると思われます。

3次医療圏は「県」という枠を超える

現在、3次医療圏は原則として「都道府県」単位で設定されています。しかし、厚生労働省の検討会資料(新たな地域医療構想に関するまとめR6年12月18日)を読み解くと、その境界線を変更する話題がでています。
人口減少が著しい地域では、隣接する県同士を統合した「広域医療圏」への再編が、水面下で議論されています。

  • 高度急性期病院の拠点化: 数十万人の人口に対して1箇所に集約。

  • 県境の無効化: 患者の流動に合わせ、行政の枠を超えた効率的な配置。

県境を接する医療圏にお住まいの皆様は、すでにその予兆を感じているのではないでしょうか。病院の統合や、特定の診療科の集約は、決して他人事ではありません。


私たち臨床工学技士に何が起きるか

あまり考えたくない話なのですが、医療圏が整理されるということは、私たちの働き方も二極化することを意味します。以下に記載する二極化は私が勝手に名付けた名称です。

  1. 拠点病院のスペシャリスト: ECMOやロボット手術、ICU管理を極める「高度急性期」の担い手。

  2. 地域のネットワークマネージャー: 拠点から離れた場所で、在宅酸素(HOT)や人工呼吸(HMV)、遠隔モニタリングを駆使して患者さんの「日常」を守る担い手。

どちらが欠けても、地域の医療は成り立ちません。しかし、これまでのような「なんとなく急性期」という中途半端な立ち位置は、今後ますます維持しづらくなるでしょう。

おわりに:時代を読む「眼」を持つ

制度が変わる時、私たちはつい「点数がいくら上がったか」に目を奪われがちです。しかし、大切なのは「なぜ国はその点数を付けたのか」を考えることです。

3次医療圏の整理は、加速こそすれ、止まることはありません。 私たち臨床工学技士は、機械のメンテナンスだけでなく、自分たちの「立ち位置」のメンテナンスも、今から始めておく必要があるのではないでしょうか。

2026年1月29日

在宅人工呼吸療法:停電から命を守る「ポータブル電源」の補助金制度——2019年の転換点と手続きのポイント

 

はじめに:災害への備え、電源は「自己責任」から「公的支援」へ

在宅で人工呼吸器や吸引器を使用されている方にとって、停電は単なる「不便」ではなく、命に関わる緊急事態です。かつて、これらのバックアップ電源は「医療機器の付属品」や「個人の備え」として扱われ、公的な補助を受けるのが非常に難しい時期がありました。しかし、相次ぐ大規模災害を経て、その常識は大きく変わりました。今回は、意外と知られていない「ポータブル電源」の補助金制度について解説します。

1. 2019年、制度を動かした厚生労働省の通知

大きな転換点となったのは、2019年(平成31年)3月29日の厚生労働省通知(障障発0329第5号)です。この通知により、障害者総合支援法に基づく「日常生活用具給付等事業」の対象として、以下の品目を追加可能であることが全国の自治体に示されました。

  • 蓄電池(ポータブル電源)

  • 発電機

  • DC/ACインバータ

東日本大震災や、北海道でのブラックアウト(全域停電)の際、電源を失った在宅患者さんの命が危険にさらされた教訓が、ようやく制度に反映されたのです。

2. 補助制度の仕組みと対象者

この制度は、市区町村が主体となる「地域生活支援事業」の一部です。

  • 対象となる方: 一般的に、在宅で人工呼吸器や吸引器を継続して使用しており、避難行動に支援が必要な身体障害者(児)が対象です。

  • 補助の範囲: 自治体ごとに「基準額」が設定されており、その範囲内で購入費用の9割(原則)が補助されます。

    • 例:基準額 100,000円の場合、自己負担 10,000円で導入可能。

3. 申請に必要なものと「自治体による差」

申請には、主に以下の書類が必要となります。

  1. 申請書(市区町村の窓口で入手)

  2. 医師の意見書・理由書: 「なぜこの患者に非常用電源が必要なのか」を主治医等に証明してもらう書類です。

  3. 製品の見積書: 検討している製品のスペックがわかるもの。

ここで注意が必要なのは、「自治体によってルールが異なる」という点です。

  • 「ガソリンを使う発電機は火災の危険があるため不可、ポータブル電源のみ」とする自治体。

  • 基準額が5万円のところもあれば、10万円を超えるところもある。

  • 所得制限の有無。

まずは、お住まいの自治体の「障害福祉課」などの窓口で、「日常生活用具としてポータブル電源の給付があるか」を確認することが第一歩です。

 

4. 臨床工学技士からみた「電源選び」のアドバイス

補助金が出るからといって、どんな電源でも良いわけではありません。医療機器を繋ぐ場合、以下のスペックは必須です。

  • 「正弦波(せいげんは)」出力であること: 家庭用のコンセントと同じ安定した波形でないと、精密な医療機器は故障や誤作動を起こす可能性があります。

  • 容量の計算: 呼吸器の消費電力を 、必要な時間を とすると、 以上の容量が必要です。余裕を持って、使用時間の2倍程度の容量を検討することをお勧めします。とはいえ、長時間の作動を考えると、大型になり重量も重くなり、高額になります。重くなると持ち運びが困難になることから、「容量」と「重量」の検討には注意が必要です。

おわりに

災害はいつ起こるかわかりません。2019年の通知以降、この制度を導入する自治体は急速に増えています。「うちは対象になるのかな?」と迷われたら、まずはケアマネジャーさんや、あるいは自治体の窓口へ相談してみてください。命を守るための準備に、「早すぎる」ということはありません。


引用・参照元:

  • 厚生労働省:日常生活用具給付等事業の実施について(平成31年3月29日通知)

  • 障害者総合支援法 第77条(地域生活支援事業)

     


     

2026年度診療報酬改定|臨床工学技士が関係する可能性のある項目(Ver.2)

 2026年(令和8年度)診療報酬改定の全容が、中医協の最新資料(2026年1月28日版)によってさらに鮮明になりました。1/23の通称「短冊1」と今回の「短冊2」を合わせて見てみました。短冊1と短冊2の記述の違いは、過去のブログをご参照ください。

短冊1・短冊2に記載されていることから、ほぼ確定と考えて良いと思います。

1.【再掲】 手術支援ロボット:CEの「必置義務化」という大きな一歩

今回の改定で最も注目すべきは、新設される「内視鏡手術用支援機器加算」です。ロボット支援手術を行う病院がこの点数を算定するための施設基準に、以下の文言が盛り込まれました。

  • 「常勤の臨床工学技士が1名以上配置されていること」

  • 機器の保守管理計画を作成し、適切に保守管理を遂行すること

これまでもCEは手術現場で活躍してきましたが、今回「常勤CEの配置」が公的な算定要件(必須条件)となったことは、私たちの職能が高度医療の安全担保に不可欠であると、国が正式に認めたことを意味します。

2. 【再掲】透析(人工腎臓):災害対策と血管評価の深化

透析室においては、単なる治療の実施だけでなく、「管理と連携」に重きを置いた評価が新設されます。

  • 「腎代替療法診療体制充実加算」の新設:

    • 災害対策の徹底: ハザードマップによるリスク把握や、年1回以上の情報伝達訓練への参加が求められます。

    • 選択支援: 導入期のみならず、病状に応じて血液透析・腹膜透析・腎移植の情報を継続的に提供する体制を評価します。

  • VA(バスキュラーアクセス)管理の適正化:

    • シャントの拡張術・血栓除去術において、超音波検査等で「血流量400ml以下」または「血管抵抗指数(RI)0.6以上」といった客観的な指標に基づく算定区分が設けられます。エコーを用いたCEによる業務が、より重要になります。
      透析領域のエコー検査については、これから発展していくことが期待されます。

       

3. 【少し詳細】ICUにおける「生命維持管理装置」の評価

集中治療の現場では、CEが操作・管理する高度なデバイスの使用実績が、入院料の評価指標に直接組み込まれます。

  • ECMOや急性血液浄化の評価:

    • 特定集中治療室管理料において、体外式心肺補助(ECMO)などを必要とする重症患者の管理期間(上限25日)が規定されました。

    • 重症度評価の項目に「蘇生術」や「一時的ペーシング」が含まれ、これらのデバイスを管理するCEの介入が病院の評価に直結します。

4. 医療DX:在宅・遠隔モニタリングの推進

在宅医療の分野でも、CEの技術を活かした「遠隔管理」の道が広がります。

  • 遠隔プログラミングの評価: 在宅振戦等刺激装置(DBS等)において、情報通信機器を用いたプログラミング指導が新設。

  • CPAP(持続陽圧呼吸療法): 使用時間等を適切にモニタリングし、管理を行う体制に対して「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算」が新設されます。短冊1では見過ごしていまいた。これは、CEが携わった方が良いと思います。

5. 【再掲】賃上げ:ベースアップ評価料による処遇改善

昨年度からの継続課題である医療従事者の賃上げについても、具体的な道筋が示されています。

  • CEは「医師・歯科医師を除く、主として医療に従事する職員」として、「外来・在宅ベースアップ評価料」および「入院ベースアップ評価料」の対象となります。

  • 診療報酬を原資として、CEの給与等の処遇改善を図る体制が継続されます。

 

おわりに:専門性を「点数」で証明する時代の到来

今回の改定案は、臨床工学技士の専門業務が、病院の経営指標(診療報酬)として明確に組み込まれたことが大きな特徴です。特に手術室での必置要件化は、若手CEにとっても大きな希望となるはずです。

一方で、配置された「後」の結果も問われます。保守管理の質の向上、災害対策の完遂、エコーによる精緻なVA評価。これら一つひとつの業務が、これまで以上に重みを増していきます。6月の施行に向け、私たちも現場での準備を加速させていきましょう。


引用元: 中央社会保険医療協議会 総会(第585回)個別改定項目について(2026年1月28日配布資料) ※「Ⅰ-2-3 チーム医療の推進」「Ⅱ-1-1 透析医療の質の向上」等の項目より抜粋。

2026年1月28日

【やってみた】短冊1.2の違いをピックアップしてみました

短冊の1・短冊の2の違いをNotebookLMでピックアップしました。

1. 資料の日付と更新
• その1: 「8.1.23」(令和8年1月23日)と記載されています。
• その2: 「8.1.28」(令和8年1月28日)と記載されており、更新版であることがわかります。

2. 臨床工学技士・ロボット支援手術(詳細化)
「その1」では項目のみの言及でしたが、「その2」ではロボット支援手術における臨床工学技士の配置要件等が具体的に示唆されています。
• その1: 手術等の医療技術の適切な評価として項目上げのみ。
• その2: 高度急性期病院におけるロボット手術の評価(内視鏡手術用支援機器加算)において、施設基準等の詳細検討が含まれています。
    ◦ ※前の回答で触れた「常勤の臨床工学技士の配置」は、この更新された施設基準に含まれる内容です。

3. 集中治療室(ICU)の重症度評価(SOFAスコア等の追記)
ICU等の管理料において、具体的な評価指標やスコアに関する記述が追加されています。
• その1: 特定集中治療室管理料の見直しとして項目等の記載あり。
• その2: 特定集中治療室管理料について、SOFAスコアが一定以上である患者割合の要件や、蘇生術、抗不整脈剤、一時的ペーシングなどの処置を重症度評価に追加する旨が詳細に記述されています。

4. 訪問看護・遠隔診療の連携(新点数の詳細)
医師がオンライン診療を行う際に、看護師が訪問して補助を行う場合の点数が具体的に記述されました。
• その1: 「D to P with N のオンライン診療の評価の明確化」として項目あり。
• その2: **「訪問看護遠隔診療補助料」**の新設が明記され、算定要件(緊急時の対応や交通費の実費負担など)が詳細に記述されています,。

5. 透析(人工腎臓)の体制強化(災害対策等の追加)
透析関連の加算について、具体的な要件が記述されました。
• その1: 人工腎臓の評価の見直しとして項目あり。
• その2: **「腎代替療法診療体制充実加算」**の新設や、災害対策(ハザードマップ、マニュアル作成)、腎移植への相談対応などが要件として具体的に記述されています。

6. その他、詳細要件の追加
「その2」では、「その1」の段階では伏せられていた、あるいは簡略化されていた以下の内容詳細化されています。
• 閉鎖式接続器具(抗がん剤): 投与時閉鎖式接続器具使用加算の対象患者や要件が記述されています。
• 地域密着多機能体制(精神科): 「精神科地域密着多機能体制加算」の評価体系や対象患者が具体化されています。
• 医薬品供給対応: 「地域支援・医薬品供給対応体制加算」として、後発医薬品の使用促進や供給不足時の対応要件が詳細に記述されています,。
総じて、「その1」は大枠の方針や項目の提示であったのに対し、「その2」では具体的な算定要件(「新設」のマーク付き項目を含む)や施設基準の案が書き込まれている点が大きな違いです。

中医協個別改定項目_その1
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001639439.pdf

中医協個別改定項目_その2
https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001643628.pdf 

2026年1月23日

【速報】2026年度診療報酬改定|臨床工学技士が関係する可能性のある項目

 2026年(令和8年度)の診療報酬改定に向けた具体的な議論が、いよいよ大詰めを迎えています。2025年1月23日に開催された中医協(中央社会保険医療協議会)の資料から、私たち臨床工学技士(CE)の働き方に直結する重要なポイントが見えてきました。

https://www.mhlw.go.jp/content/10808000/001639439.pdf
全807ページあります。

今回の改定は、単なる点数の増減に留まらず、CEの「職能としての地位」を大きく前進させる内容が含まれています。主要な5つのトピックに分けて解説します。(まだ確定ではありません。)

1. 手術支援ロボット:CEの「常勤配置」が必須要件に
今回の改定で最も象徴的なのは、「内視鏡手術用支援機器加算」の新設です。手術支援ロボットを用いた高度な手術を評価するこの加算において、施設基準として以下の内容が明記されました。

常勤の臨床工学技士を1名以上配置すること

機器の保守管理計画を作成し、適切に運用すること

これまで「望ましい」とされていたロボット手術への介入が、公的に「必須の専門職」として認められた形です。CEが手術室の安全と質を担保するキープレイヤーであることが、改めて定義されました。
 

2. 医療従事者の賃上げ(ベースアップ)への対応
昨今の物価高騰や人材確保の観点から、医療従事者の所得向上を目的とした「ベースアップ評価料」が継続・拡充されます。CEは「医師・歯科医師を除く、主として医療に従事する職員」として、この評価料による賃金改善の対象に含まれます。外来・在宅・入院の各区分で、スタッフの処遇改善に充てるための原資が評価される仕組みです。


3. 透析(人工腎臓)業務の質の向上と適正化
CEの主要な活躍場である透析分野では、「腎代替療法診療体制充実加算」が新設されます。単に透析を行うだけでなく、以下の「管理と連携」が評価の対象となります。

    選択支援と教育: 血液透析だけでなく、腹膜透析や腎移植を含めた適切な説明の実施。

    災害対策: 災害時のリスク把握、マニュアル作成、情報伝達訓練への参加。

シャント管理の厳格化: 超音波検査等を用いた血流量や抵抗指標(RI)による評価に基づき、手術の点数が区別されるようになります。


4. 医療DXの推進:遠隔プログラミングとICT活用
在宅医療におけるデバイス管理においても、ICTの活用が本格的に評価されます。在宅振戦等刺激装置治療指導管理料: 情報通信機器を用いた「遠隔プログラミング」による指導管理が新設されます。私は、この分野をしりませんでした。

プログラム医療機器(SaMD): アプリなどを用いた治療用プログラムの指導管理についても、ICT活用の規定が設けられました。

これにより、CEが病院にいながらにして、在宅患者さんのデバイス調整をサポートする形態が広がる可能性があります。とはいえ、具体的に何をすべきかが分からない部分が多いです。


5. 集中治療・救急分野の再編
ICU(特定集中治療室)等の評価体系が、実績に応じた形に整理されます。実績評価の導入: 救急搬送件数や全身麻酔手術数に加え、ECMO(体外式膜型人工肺)や臓器移植の実績が、入院料の区分に影響します。
重症度評価として「SOFAスコア」の基準が見直されるなど、より高度な全身管理が求められる現場において、CEの技術的なサポート能力が試されることになります。


おわりに:私たちは「選ばれる専門職」へ
今回の改定案を俯瞰すると、国が臨床工学技士に対して「高度な医療機器を安全に運用し、かつチーム医療の中で役割を果たすこと」を期待していると推測されます。

配置要件の明文化は喜ばしい一方で、それに見合う専門性の維持と、データに基づいた管理能力がより一層求められるようになります。

2026年診療報酬改定のゆくえ――「在宅高濃度ハイフローセラピー」は新しい選択肢になるか?

診療報酬改定ネタを一つ。

現在、国の中央社会保険医療協議会(中医協)において、「在宅高濃度酸素ハイフローセラピー(NHF)」を正式に診療報酬で評価しようとする動きが加速しています。まだ、確定していません。

これまでも在宅でのハイフローセラピーは行われてきましたが、今回の議論の焦点は、より高い酸素濃度を安定して供給できる「高濃度対応」の評価です。これが実現すれば、多くの患者さんの生活の質(QOL)が大きく変わるかもしれません。

在宅ハイフローセラピーとは?
ハイフローセラピーとは、加温・加湿した高流量のガスを鼻カニューレから送る治療法です。
加温加湿の力: 気道の乾燥を防ぎ、痰の排出をスムーズにします。既に多くの医療機関でハイフローセラピーは使用されていいます。
そんなハイフローセラピーは令和4年度の診療報酬改定で「在宅ハイフローセラピー」として適応となりました。しかし、対象となる疾患はCOPDに限定。さらに、ダイレクトにハイフローセラピーの導入は認められず、いくつかの制限があります。さらにさらに、当時は自動給水を使用すると医療機関が赤字になる状況で、診療報酬として適応されにも係わらず、普及しない状況でした。
R6年度の診療報酬改定で自動給水を使うか?使わないか?で診療報酬が分かれました。これにより、医療機関は自動給水を使用しても「赤字」になりにくくなりました。

ここまでが在宅ハイフローセラピーの背景です。

R8年度の改定で何が変わるのか?
「在宅高濃度ハイフローセラピー」は2026年1月の最新情報では、本技術は「医学的有用性が示されている」として、新規収載の優先度が高いカテゴリーに分類されました。しつこいですが、確定ではありません。

特に期待されているのが、間質性肺炎の患者さんへの適応です。「呼吸不全に関する呼吸ケア白書2024」では、白書2010と比較して、酸素療法を使用する疾患が多様化し、中でも間質性肺炎の割合の増加が目立ちました。


診療報酬の改定は、単に「お金」の話ではありません。その技術が「国に認められ、広く普及する準備が整った」というメッセージでもあります。

在宅高濃度ハイフローセラピーが正式に認められれば、患者さんは「病院と同じ質のケア」を自宅等で、より快適に受けられるようになります。

在宅高濃度ハイフローセラピーについては、追加情報が分かりましたら報告いたします。 





2026年1月17日

神経難病における「気管切開」への移行タイミング――ガイドラインと現場のリアル

 

はじめに

訪問診療の現場では、神経筋疾患の患者さんと接する機会が多くあります。私は現在も、前職から引き続きデュシェンヌ型筋ジストロフィー(DMD)や筋萎縮性側索硬化症(ALS)の患者さんを担当しています。

臨床工学技士として、以下の多岐にわたるサポートに携わっています。

  • NPPV(非侵襲的換気療法)の管理

  • TPPV(気管切開下陽圧人工呼吸療法)への移行支援

  • 在宅酸素療法(HOT)の調整

  • 災害時を見据えた停電対策

2026年1月12日

【2026年改定】外来管理加算がなくなる!?診療所の経営を揺るがす「存廃論争」の行方

昨日に続き、医療ネタです。

令和8年度(2026年度)の診療報酬改定に向けた議論が白熱していますが、なかでも診療所の先生方や事務長さんが最も懸念しているのが、「外来管理加算の存廃」ではないでしょうか。
 
今回は、この重要な点数の基本から、なぜ今「廃止」という言葉が飛び出しているのか、その背景と今後の見通しを深掘りします。
 

2026年1月11日

【2026年度】令和8年 診療報酬改定のスケジュールと重要ポイントまとめ

たまには医療ネタを書かねば(^^ゞ

医療現場の皆様が最も気になるトピックの一つ、「令和8年度(2026年度)診療報酬改定」について。

2024年度の改定から「6月施行」へと後ろ倒しになったことで、準備期間の捉え方が少し変わりました。とはいえ、薬価改定が4月にあることから、オンプレ型の電子カルテでは3月末の対応が必要となります。当院は、オンプレ型電子カルテです。

今回は、現時点で判明している改定までのロードマップを整理してざっくりと書こうと思います。

2026年1月8日

海外の人工透析患者数をネットで調べてみた

 先日、臨床工学技士の養成校で講義させて頂くにあたり、人工透析患者さんの数を調べる機会がありました。私も今から20年ほど前に、人工透析に従事しておりました。
今は、慢性期の呼吸療法が中心で、人工透析の現状について、あまり把握していません。
学生に話をする中で、知識として確認しておこうと思い、調べたという次第です。

2026年1月6日

DropBoxのアップロードが激遅(未解決)

日常的にお世話になっているDropBox

数年前から、サブスクサービスに入っています

時々、発生するのがアップロードが激遅事件

私だけでしょうか?

2026年1月1日

新年に、ブログ四季草々「2025年」を振り返ります

 皆様、新年あけましておめでとうございます。
ブログをご覧いただき、本当にありがとうございます。

2026年は・・・2026年こそは、ブログを更新します。

2025年も、ブログを更新すると書きながら、投稿数「0」です。はい、放置状態です。すみません。


今日は、この放置状態の当ブログのアクセス数や収益状況等について報告したいと思います。今日も臨床とまったく関係ありません。