2026年1月12日

【2026年改定】外来管理加算がなくなる!?診療所の経営を揺るがす「存廃論争」の行方

昨日に続き、医療ネタです。

令和8年度(2026年度)の診療報酬改定に向けた議論が白熱していますが、なかでも診療所の先生方や事務長さんが最も懸念しているのが、「外来管理加算の存廃」ではないでしょうか。
 
今回は、この重要な点数の基本から、なぜ今「廃止」という言葉が飛び出しているのか、その背景と今後の見通しを深掘りします。
 
1. そもそも「外来管理加算」とは?
まずは現在のルールをおさらいしておきましょう。
  • 点数:52点(520円相当:1点10円)
  • 算定対象: 初診料または再診料(外来診療料)を算定する患者さんのうち、「処置や手術、リハビリテーションなどを行わずに、丁寧な問診や身体診察、医学的管理を行った場合」に加算できます。
  • ポイント: 「単にお薬を出すだけでなく、患者さんの状態をしっかり把握して説明したこと」への評価です。診療所にとって、日常診療のベースを支える極めて重要な点数といえます。
2. なぜ「存廃議論」が起きているのか?
この議論が大きく表面化したのは、2025年11月に開催された「財政制度等審議会」での財務省による提言がきっかけです。
 
財務省は、「診療所の利益率は依然として高く、現役世代の保険料負担を抑えるために報酬を適正化すべきだ」という立場をとっています。その際、以下の理由で外来管理加算がやり玉に挙げられました (゚◇゚)ガーン
  • 「包括化」の推進: すでに「地域包括診療料」など、かかりつけ機能を評価する別の点数があるため、外来管理加算をそれらに統合(廃止・集約)すべき。
  •  
  • 評価の重複: 再診料と外来管理加算の内容が重複しており、二重払いになっているのではないかという厳しい指摘です。 
3. 実際、令和8年(2026年)はどうなる?
「完全廃止」か「現状維持」か。結論は2026年2月の答申を待つ必要がありますが、実務的には「段階的な厳格化」の可能性が高いと予測されています。
  • シナリオA:算定要件の厳格化
    単に「診察した」だけでなく、説明内容のカルテ記載をより厳しく求める、あるいは特定の検査を行った日は算定不可とするなど、ハードルが上がる可能性があります。
     
  • シナリオB:点数の引き下げ
    52点という点数自体が、他の賃上げ財源を確保するために数点単位で引き下げられるケースです。

  • シナリオC:かかりつけ医機能への完全移行
    「かかりつけ医機能報告制度」の開始に合わせ、国が認めた「機能を持つ診療所」以外は算定できなくなる、といった長期的な再編の布石になるかもしれません。

    個人的にはシナリオA+Bの合わせ技。診療所の収益を病院側に移行させる流れをつくのではないかと・・・想像しています。 
4. 臨床工学技士も気にするべき「外来管理加算」
日本医師会などは「外来管理加算は対面診療の質を担保する柱である」として、廃止に強く反対しています。
経営側としては、「もし52点がなくなった場合(または減算された場合)、どの程度の減収になるか」を今のうちにシミュレーションしておくことが重要です。あわせて、医療DX加算やベースアップ評価料など、新設・拡充される他の点数でどこまでカバーできるかを検討し始める時期に来ています。
 
今年2月の答申まで、ドキドキが続きます。

0 件のコメント:

コメントを投稿