2026年(令和8年度)診療報酬改定の全容が、中医協の最新資料(2026年1月28日版)によってさらに鮮明になりました。1/23の通称「短冊1」と今回の「短冊2」を合わせて見てみました。短冊1と短冊2の記述の違いは、過去のブログをご参照ください。
短冊1・短冊2に記載されていることから、ほぼ確定と考えて良いと思います。
1.【再掲】 手術支援ロボット:CEの「必置義務化」という大きな一歩
今回の改定で最も注目すべきは、新設される「内視鏡手術用支援機器加算」です。ロボット支援手術を行う病院がこの点数を算定するための施設基準に、以下の文言が盛り込まれました。
「常勤の臨床工学技士が1名以上配置されていること」
機器の保守管理計画を作成し、適切に保守管理を遂行すること
これまでもCEは手術現場で活躍してきましたが、今回「常勤CEの配置」が公的な算定要件(必須条件)となったことは、私たちの職能が高度医療の安全担保に不可欠であると、国が正式に認めたことを意味します。
2. 【再掲】透析(人工腎臓):災害対策と血管評価の深化
透析室においては、単なる治療の実施だけでなく、「管理と連携」に重きを置いた評価が新設されます。
「腎代替療法診療体制充実加算」の新設:
災害対策の徹底: ハザードマップによるリスク把握や、年1回以上の情報伝達訓練への参加が求められます。
選択支援: 導入期のみならず、病状に応じて血液透析・腹膜透析・腎移植の情報を継続的に提供する体制を評価します。
VA(バスキュラーアクセス)管理の適正化:
シャントの拡張術・血栓除去術において、超音波検査等で「血流量400ml以下」または「血管抵抗指数(RI)0.6以上」といった客観的な指標に基づく算定区分が設けられます。エコーを用いたCEによる業務が、より重要になります。
透析領域のエコー検査については、これから発展していくことが期待されます。
3. 【少し詳細】ICUにおける「生命維持管理装置」の評価
集中治療の現場では、CEが操作・管理する高度なデバイスの使用実績が、入院料の評価指標に直接組み込まれます。
ECMOや急性血液浄化の評価:
特定集中治療室管理料において、体外式心肺補助(ECMO)などを必要とする重症患者の管理期間(上限25日)が規定されました。
重症度評価の項目に「蘇生術」や「一時的ペーシング」が含まれ、これらのデバイスを管理するCEの介入が病院の評価に直結します。
4. 医療DX:在宅・遠隔モニタリングの推進
在宅医療の分野でも、CEの技術を活かした「遠隔管理」の道が広がります。
遠隔プログラミングの評価: 在宅振戦等刺激装置(DBS等)において、情報通信機器を用いたプログラミング指導が新設。
CPAP(持続陽圧呼吸療法): 使用時間等を適切にモニタリングし、管理を行う体制に対して「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算」が新設されます。短冊1では見過ごしていまいた。これは、CEが携わった方が良いと思います。
5. 【再掲】賃上げ:ベースアップ評価料による処遇改善
昨年度からの継続課題である医療従事者の賃上げについても、具体的な道筋が示されています。
CEは「医師・歯科医師を除く、主として医療に従事する職員」として、「外来・在宅ベースアップ評価料」および「入院ベースアップ評価料」の対象となります。
診療報酬を原資として、CEの給与等の処遇改善を図る体制が継続されます。
おわりに:専門性を「点数」で証明する時代の到来
今回の改定案は、臨床工学技士の専門業務が、病院の経営指標(診療報酬)として明確に組み込まれたことが大きな特徴です。特に手術室での必置要件化は、若手CEにとっても大きな希望となるはずです。
一方で、配置された「後」の結果も問われます。保守管理の質の向上、災害対策の完遂、エコーによる精緻なVA評価。これら一つひとつの業務が、これまで以上に重みを増していきます。6月の施行に向け、私たちも現場での準備を加速させていきましょう。
引用元: 中央社会保険医療協議会 総会(第585回)個別改定項目について(2026年1月28日配布資料) ※「Ⅰ-2-3 チーム医療の推進」「Ⅱ-1-1 透析医療の質の向上」等の項目より抜粋。
0 件のコメント:
コメントを投稿