2018年7月4日水曜日

在宅酸素療法のアウトブレークは2030年か?

医療ネタです。

落語の歌丸師匠がお亡くなりになりました。ご冥福をお祈りいたします。
小学生の頃 祖父母とみていた笑点。また時代が過ぎていくことを感じます。
歌丸さんが罹患していた病気が「COPD」慢性閉塞性肺疾患です。

今日はCOPDと在宅酸素療法について少々。



慢性呼吸不全に携わって、10年以上経過しました。
今から10以上前に、私は一つの仮説を立てました。
私は2020年頃に在宅酸素療法が大幅に増加するだろうと。
根拠は2001年に発表された順天堂大学医学部の福地氏らによる大規模な疫学調査研究NICEスタディです。
興味のある方はこちら http://www.gold-jac.jp/copd_facts_in_japan/

COPD患者が530万人 そのうち治療者が26万人。
70歳以上の高齢者の有病率は17%以上です。

当時の呼吸器学会が出した呼吸ケア白書は2005年。在宅酸素療法を利用中の患者さんの約50%はCOPDの患者さんです。

しかし、あれから10年以上経過して、、、
在宅酸素療法の件数は増加していません。












データは厚生労働省の社会医療診療行為別統計より。


みなさんは、この変化どう思いますか。

私は、吸入薬が単剤から合剤にシフトしたことで、薬物療法が効いていると考えています。

では、薬物療法だけでCOPDは酸素療法を回避できるのか・・・

私は一定の率で在宅酸素療法を必要とする患者さんがいると考えています。
それは、呼吸ケア白書2010でも在宅酸素療法をしている患者のうち
約50%がCOPDだからです。

アウトブレークという表現は、適切でないのかもしれません。
でも、10年後 在宅酸素療法を行うのは、自宅ではなく「施設」なのです。*
施設で在宅酸素療法を継続できるでしょうか。
*この部分はまた後日。

きっと10年後のニュースでは「高齢者施設で火災。原因は酸素療法か?」
こんなニュースが出ないように。














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