2016年7月2日土曜日

睡眠時無呼吸症候群にCPAPを使っているかと言って油断してはならない

医療ネタです。

日付が変わりました。昨晩は、職場の納涼会。今回はノンアルコールでしたが、楽しかったです。

さて、本題。

睡眠時無呼吸症候群(SAS)と診断されて、CPAPを使用中の方は多くいます。最近は、女性の方、小児領域でもCPAPを使用する方がいます。



最近 おや? なんか変?という診察の流れからCPAP使用中のSpO2低下を発見した症例をご紹介。個人情報の事もありますので、詳細は書くことはできませんが、概要を記載ます。
CPAPに従事されている方の、参考になれば幸いです。

本来 CPAPを行っている方は、CPAP導入直後のPSGタイトレーションによる状況確認が望ましいです。また、CPAP導入後は数年ごとにPSGタイトレーションによる状況確認が望ましいです。

が、実際には様々な事情で、CPAP使用中のタイトレーションが難しいのが実情です。専門医療機関も少ないようですし・・・。

今回 ご高齢で基礎疾患にCOPDがある方がCPAPを使用していました。日中はHOTを使用しており、夜間はCPAP+HOTの併用です。そのため、カードデータ上でリーク量が少なく、AHIが低い場合には、本人からのCPAP不良の訴えが無い限り異常に気が付くことが難しいです。

今回 診察中に医師に対して「マスクを夜間に外してしまう 」という情報があり、私が自宅訪問。機材の取り扱い、HOTからの接続には全く問題がないことから、夜間就寝時のSpO2測定実施。90%以下になる箇所が明らかになりました。

カードデータ上ではAHIは、ほぼないのですが、データを良く見ると低呼吸とチェーンストークス呼吸が確認できました。全体の発生頻度としては、そほど多くない。発生頻度は、低呼吸>チェーンストークス呼吸

CPAPから換気補助ができる機材へ変更するように先生から指示がありました。
(現在は自宅に機材設置済み。もちろん 私が設置)

CPAPを使っているから低酸素にならないとは限りません。中枢性の無呼吸が多く出る方は、CPAPで対応できません。

検査科の主任とも相談したのですが、CPAPのタイトレーションを勧めるとともに、夜間就寝時SpO2測定の必要性を認識しました。

そういえば、先日京都で開催された研究会でも就寝時のSpO2測定の重要との話がありました。

2 件のコメント:

  1. 中枢性無呼吸があればspo2測定も重要ですが、
    ASVにする事のほうが重要なのでは?

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  2. コメントありがとうございます。
    今回の患者さんは、ASVに変更しています。

    今回 中枢性無呼吸があるからASVにしたわけではありません(^^; カードデータ上にチェーンストークス呼吸の「マーク」があったことから、ASVを選択しました。

    睡眠時無呼吸症候群の患者さんの中で、閉塞型無呼吸が優位な症例においては、CPAP療法を開始した後で中枢性無呼吸の出現がみられることもあります。
    そのため、CPAPを導入で終了でなく、できればCPAPタイトレーションを勧めています。

    またご存知かもしれませんが、ASVの診療報酬の算定は複雑です。今回のケースは、管理料と治療機器の加算が変更になります。機器加算だけでも1100点から人工呼吸器の区分である6480点に変更なります。自己負担が大幅に増えます(^^;
    患者さんの中には、治療費が高額になることから、ASVを選択しない方もいます。今春の診療報酬の改定で「ASVを使用した場合」という新しい区分もできましたが、簡単に使えません。

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