皆様、こんにちは。ブログ「四季草々」です。
前回の記事では、2026年(令和8年度)改定で新設された「持続陽圧呼吸療法充実管理体制加算(15点)」の概要をお伝えしました。
続きは、明日と書いておきながら、10日以上開けてしまいました(゚◇゚)ガーン
察してください(笑)
今回は、この15点を算定するために避けては通れない「施設基準要件」について、より具体的に掘り下げてみたいと思います。
1. 15点を算定するための「3つのハードル」
この加算は、どの医療機関でも自動的に付くわけではありません。以下の施設基準を満たし、地方厚生局に届け出る必要があります。
① 通信機能付き機器等によるデータ収集
まず、セルラー通信等の機能を備えたCPAP機器を使用していることが前提です。施設基準を読み解く限り、SDカードがNGと書いていないため、医療機関側がログデータを把握できる環境が求められます。
② 組織的なモニタリング体制の整備
「(CPAPの)データは見れるけれど誰も見ていない」では通らない、というのが今回の改定の肝だと思います。
収集したデータを定期的に確認する体制。
治療がうまくいっていない患者さん(使用時間が短い、リークが多い、AHIが下がらない等)を抽出し、速やかに医師や専門スタッフが介入できる仕組みが必要です。
③ 客観的な「治療実績」の維持(4割ルール)
ここが最も具体的なハードルになります。
基準: CPAP療法の1日使用時間が4時間以上の日が20日以上ある「管理月数」の割合が、施設全体で4割以上であること。
つまり、「貸し出した患者さんの4割以上が、しっかり使えている状態」をキープしていなければなりません。
これ、どうやって計算するんだろう・・・
各メーカーとの打合せをしています。できばセルラー通信搭載CPAP治療装置は、各メーカのクラウドソフトの中で計算して欲しいです。
SDカード方式であっても、専用ソフトでログ解析をしていることから ソフト上で計算できるといいのですが・・・
R8年6月には間に合わないですよね・・・(´д`)
2. 臨床工学技士(CE)がこの加算の「心臓部」になる理由
この施設基準を読み解くと、まさに私たちCEの職能そのものが求められていることが分かります。
データの「番人」: 膨大な遠隔モニタリングデータの中から、マスクリークのパターンや無呼吸の残存を読み解き、医師に設定変更の提案を行う。
技術的な「困りごと」の解決: 「鼻が痛い」「風が強くて眠れない」といった患者さんの不満に対し、マスクフィッティングの調整や加湿設定の最適化を行うことで、前述の「4時間・20日」の基準達成を直接的に支えます。
3. 今から準備すべきこと
2026年6月の施行に向け、施設として以下の準備を検討し始めるタイミングです。
機器のリプレイス計画: 現在貸し出している機器のうち、通信機能付きがどの程度あるか確認する。今のところ、SDカード方式がNGとなっていませんが・・・疑義解釈には気を付けましょう。
運用フローの作成: 誰がデータをチェックし、誰が患者に連絡するか。CEが主体となった「CPAP外来」のような仕組みの構築。CEの立場からは、このように記載しましたが、実運用では、看護師による「療養指導(170点)」の仕組みを検討することも必要かと思います。
現在の「4割」の把握: 自施設の患者さんの現在のコンプライアンスを算出し、課題(なぜ使えていないのか)を分析する。
これが、吐きそう案件です(´д`)
おわりに:15点の先にある「質」の向上
「たった15点のためにここまでやるのか」という声もあるかもしれません。しかし、この加算は「データに基づいた質の高い管理を、日本の標準にする」という国からのメッセージです。このちゃんと管理できている延長線上に「CPAP4ヶ月受診」が待っている可能性があります。
引用・参照元:
厚生労働省:令和8年度診療報酬改定資料「医療技術の適切な評価(腎代替療法・在宅医療等)」
中央社会保険医療協議会:個別改定項目「在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)の充実管理加算の施設基準」

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